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矢倉義之のナニワ大家道
第三回「気を付けたい投資用ワンルームマンションの勧誘(1)」

勤務中よくマンションの販売業者から投資用のワンルームマンションの勧誘電話がかかって来ないでしょうか?

セールストークは様々ですが、よく言われるのが
「節税になる」「生命保険の代わりになる」「将来の年金の足しになる」などです。

では、このセールストークですが実際検証してみるとどうなのでしょうか?

1.節税になる?

(1)不動産所得が赤字だと給与所得から控除出来る
実際うちが受けた勧誘や動画であがっているセールストークなどを聞いてみますと、投資物件を購入して確定申告をすると所得税が還付されるということをよく言っています。
確かに所得が給与所得のみの人が物件を購入し不動産所得が赤字だと、損益通算により給与所得の分から不動産所得の赤字分が控除されるので、結果的に所得税が還付され住民税が安くなることがあります。

(2)土地にかかる部分の金利は不動産所得が赤字だと経費に出来ない
しかし、このとき注意が必要です。
投資物件をローンで購入した場合「土地を取得するために要した負債の利子」は損益通算が出来ないことになっています。つまり不動産所得が100万円の赤字でうち土地にかかる借入金の利息が50万円だったとすると損益通算は50万円しか出来ないことになります。

※建物にかかる利息は損益通算出来ます。ある程度自己資金を投入すると自己資金は土地から購入したと計算をすることも出来ます。

(3)そもそも不動産所得が赤字ということは儲かっていないのでは?
物件を購入した年に関しては登記費用、不動産取得税など何かとかかる経費が多く不動産所得が赤字になるのは当然と言えば当然ですが、これが慢性的に何年も赤字になるようでは問題です。
減価償却費がいくら計上されているかによりますが、よく勧誘されるような物件は新築が多く減価償却費も一年に多く計上出来ないケースが多いのではないかと考えられます。

(4)所得でなくキャッシュが大事
このため、毎年にように自己資金を持ち出して赤字の穴埋めをしているようでは投資の意味がありません、購入前の事業計画の段階でキャッシュが増えるのかどうか?など確認が必要です。逆に言えば節税ではなくキャッシュフローのことまで考えた計画書を出して来れる業者は良心的な業者ではないかと思います。

(5)相続税の節税にはなる
ここまでは、あまり節税にはならないのでは?という話をしましたが、所得税の節税にはあまりならないと思いますが、相続税の節税にはなるケースが多いと思われます。
不動産の相続税評価額は大抵、市場価格よりかなり安く設定されていますので、現預金に余裕があり短期間で相続税の課税価格を下げる必要があるような人には効果があると思います。

ただし、目先の節税だけでなく物件を購入した後のことも考える必要があります。

 

続く

まとめ

セールストークで言われる「節税になって所得税が還付される」と言うのは、そもそも投資が上手く行っていない可能性。しかし、相続税の節税には即効性あり。

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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