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清田博之の賃貸、コレでよかろうもん
第二回「空き家の3000万円特別控除~その2(その他の注意点について)~」

1.平成28年の税制改正でできた空き家を売った時の特例

(1)空き家の3000万円の特別控除の特例とは?

空き家の3000万円特別控除は、空き家になった実家を売った時の利益が3000万円までだったら税金がかからないというお得な特例です。通常ですと、売却益に約2割程の税金がかかります。3000万円の税率2割ですと最大約600万円程税金が違ってくることになります。

(例)売却益が3000万円の場合

これは、空き家が増えて社会問題になるなか、旧耐震基準の時代に建てられた住宅が空き家となって残ってしまうのを防ぐためにできた特例です。


(2)適用要件について

この特例を受けるには以下の要件をすべて満たす必要があります。

①昭和56年5月までに建てられた旧耐震基準の住宅である。

②戸建て住宅である(区分所有マンションは対象外です)。

③亡くなった方が持ち家に一人暮らしをしていた。

④亡くなって以降に、誰かが住んだり、そこで事業をしたりしていない。

⑤亡くなってから3年後の年末までに売却する。

⑥新耐震基準を満たすように改修された建物として売るか、建物を壊してから売る。

⑦売却金額は1億円以下


2.注意点について

(1)空き家のままにしておかないと適用できない

 空き家になった場合に、そのままではもったいないという事で人に貸す場合もあると思います。しかし、この特例を受ける場合には、亡くなった後に人に貸したことがあると認められません。貸家として持ち続ける場合は問題がありませんが、誰かに貸してすぐに出られたからやっぱり売ったというような場合には適用できません。

(2)一人暮らしをしていて亡くなった方の持ち家でないと適用できない

 両親が相次いで亡くなったような場合には注意が必要です。家を持っていた父が亡くなった後に、一人暮らしになった母も亡くなった場合に、母名義の家になっていなければ特例の適用ができません。例えば父が亡くなった時点で、母が重い病気にかかっている場合や母が沢山の財産を持っていて母が亡くなった時の相続税が心配な場合等には、住んでいる母ではなく他の相続人が父から実家を相続することもありえます。そうすると、一人暮らしになった母が亡くなった後に実家を売却しても要件を満たさず特例の適用が出来ません。

(3)老人ホームへ入居していた場合は、2019年4月以降の売却からは認められる方向へ

亡くなった方が老人ホームへ入居していた場合は、一人暮らしをしていた家ではないという事で特例が適用できない事になっていました。これについては、2018年末に発表された平成31年度の税制改正大綱では、要介護認定を受けて入所していた等の一定の要件を満たす場合に適用が受けられるように改正がされる見込みです。


(4)適用期限について

現時点では、2019年の12月末までの売却が対象ですが、平成31年度の税制改正大綱では、適用範囲が拡充された上で2023年12月末までの売却が対象になるように期限が延長される見込みです。

まとめ

旧耐震基準の空き家を相続した場合の税金が安くなる特例については、前回書いた取壊しの時期に関する注意点以外にも空き家のままにしておくことや名義など注意点があります。要件を満たすかどうかで税額がかなり違うので、空き家の相続の際には税理士にご相談ください。

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清田博之
清田博之
NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員、一般社団法人家族信託普及協会会員 相続問題に力を入れており、地主さんや大家さんの相続対策のご相談にのる事が多いです。地主さんや大家さんの相続対策については、税務の知識だけでなく、経営や法律、登記、測量、鑑定、売買等の幅広い知識が必要であると感じます。依頼者に寄り添う立場で相続問題の解決に取り組む心ある弁護士さん、司法書士さん、不動産会社さん、FPさん、不動産鑑定士さん、土地家屋調査士さん、一級建築士さん達とも連携して相続問題の解決に取り組んでいます。信頼できる専門家ネットワークで大家さんの賃貸経営と相続に関するかけ込み寺になりたいと考えています。
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