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清田博之の賃貸、コレでよかろうもん
第四回「夫婦共有名義のマイホームを売った時の特例について~その2」

新元号が発表されて令和と書かれた書類を目にする事も多くなりました。平成3〇年の下1桁と令和○年の年数が一緒なので、読み替えが比較的楽で助かるな~と思います。(消費税の導入が平成元年で、税率が10%になるのも令和元年なのも覚えやすいですね。)

さて、今回は前回に引き続き、夫婦共有名義のマイホームを売った時の3000万円特別控除について書きたいと思います。

前回みたように、マイホームを売った場合には、3000万円までの売却益には課税されない特例があります。建物が共有名義の場合は、夫婦それぞれで3000万円の特別控除が使えるので、最大6000万円の特別控除が使える可能性があります。
しかし、生前に売却をした時に使える特例なので、もし夫婦のどちらかが亡くなった後にはやはり一人分しか使えなくなってしまいます。

●おしどり贈与のご検討はお早めに

20年間連れ添った夫婦間で居住用財産の贈与をする場合は、2000万円までは非課税となる特例があります(通称おしどり贈与といいます)。

相続税が多額になりそうな家族の場合、このおしどり贈与を使って相続税対策をすることがあります。

夫婦のうち例えば妻が自宅の名義を持っていなくて、他にも妻名義の財産があまりなければ、たくさん財産を持っている夫から妻に自宅を贈与する事で夫の財産を減らして相続税が減らせる場合があるのです。

このおしどり贈与の際に建物を夫婦共有名義にしておくと、将来マイホームを売って介護付施設に入ろうというような時に、夫婦それぞれで売却益の3000万円特別控除を活用できる可能性があります。

ただし、マイホーム売却の直前になって、3000万円特別控除を使う為だけに夫婦共有名義にしても売却益の3000万円の特別控除は受けられません。3000万円特別控除を受ける為には、実際に「所有者として住む意思を持っていた人」でないと適用できないと解されているからです。早めの対策が重要です。

●生前に売却した方が有利とわかっていても
認知症などで売却が難しくなることも。。

建物を夫婦共有名義にしていても、どちらかが認知症になってしまった後だと本人の意思が確認できないためにそもそも自宅売却が出来ないという事もあります。

また、頭ははっきりしていても、重病になってからでは本人の負担を考えて自宅売却の話が進められないというケースもあります。余命宣告を受けたが本人は家に帰れると信じて頑張っているのでとても本人には言い出せないというケースもありました。

●生前に売却してしばらくは借りて住み続ける
というケースも

また、病気の奥様が亡くなる前に、しばらくは家賃を払ってそのまま住み続けてよいという条件で、共有名義の自宅の売却ができたというケースもありました。

数年前から奥様が介護が必要な病気になって老老介護を続けて来て、ご家族で話し合って、夫婦どちらかが亡くなったら遠方に住む娘さんの近くに移り住もうと決められていた方でした。
そして、奥様の病状が悪化したあと不動産屋さんに内々に買主を探してもらったところ、購入後も夫婦のタイミングまで借りて住み続けて構わないという買主が見つかり、生前に売却をして借りて住むという選択をされました。マイホームの売却益を確認すると、近くに地下鉄の駅が出来る前に購入されていて売却益が5000万円、税額が1000万円程出る状況で、生前に売却ができれば奥様の持分部分の500万円程税額が安くなるケースでした。

将来実家をどうするのかなどを早めに家族で話し合って検討しておく事ができれば、いざという時にあわてず、特例がうまく使える場合もあるのだな~と思った事案でした。

まとめ

マイホームを売却する場合には、3000万円までの売却益には課税しない特例がありますが、亡くなってからでは特例が使えない場合があり、認知症になる等した場合には使えなくなる事もあります。
早めに対策をしていれば上手に活用できる場合がありますので、将来的に実家を売却することがありうる方は税理士に相談してみましょう。

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清田博之
清田博之
NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員、一般社団法人家族信託普及協会会員 相続問題に力を入れており、地主さんや大家さんの相続対策のご相談にのる事が多いです。地主さんや大家さんの相続対策については、税務の知識だけでなく、経営や法律、登記、測量、鑑定、売買等の幅広い知識が必要であると感じます。依頼者に寄り添う立場で相続問題の解決に取り組む心ある弁護士さん、司法書士さん、不動産会社さん、FPさん、不動産鑑定士さん、土地家屋調査士さん、一級建築士さん達とも連携して相続問題の解決に取り組んでいます。信頼できる専門家ネットワークで大家さんの賃貸経営と相続に関するかけ込み寺になりたいと考えています。
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