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矢倉義之のナニワ大家道
第十二回「不動産の購入における固定資産税精算金の経理処理」

税理士の矢倉です。
昨日まではもう夏のような暑さでしたが今日は一日中雨ですね、もうすぐ梅雨入りでしょうか、当事務所も3月決算法人の申告が先月で終わり少し落ち着きを取り戻しつつあります。

さて、不動産の売買契約のときに物件の購入価格などと別に「固定資産税の精算金」と言うものの支払いを求められることがよくあります。

(1)固定資産税とは

固定資産税は毎年1月1日時点での不動産の所有者に対して課税される市町村民税であり、各市にとっては重要な収入源の一つと位置付けられています。

ここで注意点は1月1日に所有しているかどうかでその年固定資産税を払う必要があるか無いかが判定されます。極端な話、1月2日に解体工事をしてほぼ1年間建物が存在しなくても1年分の固定資産税が発生しますし、逆に1月2日に新築すればほぼ1年間固定資産税を払わなくてもいいと言うことになります。

(2)固定資産税精算金とは

このように固定資産税は1月1日の所有者が1年分払う必要がありますが、この不動産を年の途中で売却した場合、買い主はその年丸々固定資産税を払う必要は無いが売り主は所有しなくなった後の分まで固定資産税を負担するのは不公平ではないかと言うことで、固定資産税の起算日(関西と関東では慣習で起算日が違うようです)から引き渡し日の前日までの分は売り主、引き渡し日以降の分は買い主が負担するといった形式の固定資産税の精算を行うというのが不動産売買の慣習となっています。

(3)租税公課ではない

このとき買い主はどのような勘定科目で処理すればいいでしょうか?売り主が払った固定資産税を一部負担したんだから租税公課では?と思ってしまいがちですが、前述にあるように固定資産税というものは1月1日に所有している人が1年分払うものだと税法上定められおり月割りなど規定されていません。

つまり、固定資産税の精算とはあくまで商いの慣習にすぎず、固定資産税精算金は購入価格の一部として取り扱われることになります。

(4)建物分は消費税込み

固定資産税の精算金のうち建物分を「建物」、土地分を「土地」と処理することになります。このとき建物の部分に関しては消費税の課税対象となりますので税込でこの価格として処理することになります。
逆に売り主は売却価格に精算金を加え、建物の固定資産税相当額の分消費税の課税価格が増えることになりますので注意して下さい。

まとめ

固定資産税はあくまで1月1日に所有しているかどうかで判定されるため、固定資産税精算金は購入価格に含める。消費税の課税事業者は消費税の税額に影響してくるので注意。

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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