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矢倉義之のナニワ大家道
第十五回「死亡退職金による相続税節税」

相続税の節税には様々な方法がありますが、意外と知られていない割には非常に効果的な方法に死亡退職金と言うものがあります。

(1)死亡退職金とは

死亡退職金とは、被相続人(亡くなった人)が本来受け取る予定だった退職金が遺族に対して死亡退職金等何らかの形として支払われたものです。

(2)非課税枠が生命保険金と併用可

生命保険による死亡保険金には法定相続人×500万円と言った相続税の非課税枠があることはよく知られていますが、死亡退職金にも同様に法定相続人×500万円の非課税枠があります。
この非課税枠は死亡保険金と死亡退職金の両方を受け取る場合にも適用されます。

つまり、相続財産を死亡退職金と生命保険金に換えて受け取ることで法定相続人1人当たり1000万円まで非課税になります。
例えば法定相続人が4人居たら、死亡保険金で2000万円、死亡退職金で2000万円、合わせて4000万円が非課税と言うことになります。
なお、死亡保険金は相続人以外の人が受け取った場合は非課税枠は適用されません。

(3)退職金規定を整備

法人が死亡退職金を支給するには退職金規定を整備しておく必要があります。規定が無いのに死亡退職金を支給した場合、税務調査で否認されることもあります。
また、多額の死亡退職金も過大として否認されるケースもありますので適正な退職金の金額は専門家に相談されることをお勧めします。

(4)個人事業でも死亡退職金は可能

基本的に個人事業主が自分で自分に退職金を支払うことは出来ませんが、例外的に個人であっても退職所得又は死亡退職金扱いになるものがあります。
それは小規模企業共済と言うもので、国の機関である中小機構が運営する、個人事業主など小規模自営業者のための積立による退職金制度です。掛け金は全額所得控除になるので所得税も節税になるので大変お得な節税商品です。
しかし、掛け金の上限が年間84万円までなので短期間での相続税対策には向いていません。

まとめ

死亡退職金と死亡保険金は非課税枠が併用可能、退職金規定を整備し非課税枠を有効に使いましょう。

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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