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清田博之の賃貸、コレでよかろうもん
第七回「暦年贈与と相続時精算課税制度!?」について

毎日暑い日が続いていますね。仕事がら車に乗って出かける事が多いのですが、屋外の駐車場に停めておいた車の中に戻ると開けたばかりのウェットティッシュが熱いおしぼりみたいになっていてびっくりします。

さて、今回は、暦年贈与と相続時精算課税制度!?について書きたいと思います。

1.贈与税とは?


親から子・孫等に財産を渡す場合には、贈与税
という税金の対象になります。
ただ(無償)で財産をもらったのだから、税金を負担できるでしょうという事で課税される税金です。毎年その人が稼いだお金に対してかかるのが所得税ですが、人から財産をもらって儲かった場合にも税金をかけようというものです。

毎年110万円までの範囲だったら贈与税はかからない、という話は聞かれた事がある方も多いと思います。
110万円を超えた部分に以下のように10%~55%の税率で課税がされます。

例えば、夫婦間で4000万円の土地を贈与した場合には、4000万円から基礎控除の110万円を引いた3890万円が課税の対象になり、これに税率表の左側の一般税率の55%をかけて控除額の400万円を引いた1739万5000円が贈与税額という事になります。

表の右側の特例贈与というのは、20歳以上の子や孫に贈与をする場合の税率の特例です。この特例贈与の場合には、4000万円から110万円を引いた3890万円に対して、50%をかけて415万円を引くので、1530万円の贈与税額になります。
特例贈与は、子の世代の方が子育て等でお金が必要なことも多いので、親の世代から子の世代への財産の移転がスムーズに進んで経済の活性化が図れるようにと、平成25年の改正で作られた制度です。

【4000万円の土地を贈与した場合の計算例】

計算式:贈与税額=(贈与した財産の金額-基礎控除110万円)×表の適用税率―表の控除額

(一般贈与の場合)
贈与税額=(4000万円-基礎控除110万円)×55%-400万円=1739.5万円

(特例贈与の場合)
贈与税額=(4000万円-基礎控除110万円)×50%-415万円=1530万円

不動産のオーナーさんの場合、家賃収入について、1月1日から12月31日までの年単位で利益(所得)の計算をして所得税を納めますが、贈与税についても同じように、1月1日から12月31日までの年単位で計算をします。暦の年単位で計算するということで、暦年課税と言われます。

2.相続時精算課税制度について

相続時精算課税制度というのは、贈与するものについても将来の相続税の対象に含めて計算することとするものです。贈与のタイミングでは、2500万円を超える部分に一律20%の税率をかけて贈与税を計算して仮納めをしておきます。
上記の4000万円の例でいくと、4000万円から2500万円を引いた残りの1500万円に20%をかけた300万円だけを贈与があった年に仮納めをします。そして、贈与者がなくなって相続税の計算をする際に、贈与済みの財産4000万円についても相続税の計算の対象とします。この時、相続までに仮納めした税額(例では300万円)を差し引いて納税をします。もし仮納めした税額の方が多い場合は還付も受けられます。

【4000万円の土地を贈与した場合の計算例】

計算式:仮納めする贈与税額=(贈与した財産の金額-控除額2500万円)×20%

(相続時精算課税制度を選択した場合)
贈与税額=(4000万円-控除額2500万円)×20%=300万円

暦の年単位で課税するのではなく、相続した時に精算をするという事で相続時精算課税制度と言われます。
そして、この制度は暦年課税との選択とされています。

そして、一度相続時精算課税制度を選択した場合は、その贈与をした人との関係では暦年課税制度に戻ることはできなくなります。その贈与をした人との関係で考えますので、例えば父から受ける贈与で相続時精算課税制度を選択しても、母からの贈与は暦年課税制度のままという事もできます。

次回、メリット・デメリットについて書きたいと思います。

まとめ

贈与税を計算する場合には、毎年110万円までは非課税という暦年課税の贈与の他に、相続の時に精算する贈与税の制度があります。選択適用になるので一度選択すると戻れません。状況によって相続時精算課税制度を選択する事が有利な場合と不利な場合があります。生前に大きな財産を子や孫に移す場合には、事前に税理士に相談するようにしましょう。

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清田博之
清田博之
NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員、一般社団法人家族信託普及協会会員 相続問題に力を入れており、地主さんや大家さんの相続対策のご相談にのる事が多いです。地主さんや大家さんの相続対策については、税務の知識だけでなく、経営や法律、登記、測量、鑑定、売買等の幅広い知識が必要であると感じます。依頼者に寄り添う立場で相続問題の解決に取り組む心ある弁護士さん、司法書士さん、不動産会社さん、FPさん、不動産鑑定士さん、土地家屋調査士さん、一級建築士さん達とも連携して相続問題の解決に取り組んでいます。信頼できる専門家ネットワークで大家さんの賃貸経営と相続に関するかけ込み寺になりたいと考えています。
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