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矢倉義之のナニワ大家道
第十七回「不動産所得で接待交際費は認められるのか?」

アパート経営をしている大家さんのような不動産所得者では接待交際費は必要経費にならない、又はなっても一部は認められない家事関連費になる、など色々な噂があります。
では、実際のところどうなのでしょうか?

1. 所得税法上の必要経費とは

所得税法上の必要経費は「やさしい必要経費の知識」と題し国税庁のHPに以下のように非常に分かりやすく書いています。

事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

つまり、不動産所得であっても売上を伸ばすためや、管理など業務遂行上必要な交際費なら必要経費に該当することになります。

2.領収書があるだけで必要経費になるわけではない。

これらは、一般的には業務上付き合いのある不動産業者や建築業者へのお中元お歳暮や会食、不動産オーナー同士の勉強会や懇親会などが考えられますが、このときの領収書などを保存しているだけで無条件に必要経費として認められるのか?と言えばそうではありません。

領収書はあくまで支払ったと言う証拠だけであって、例えば百貨店のお歳暮の領収書について税務調査官に質問されたときに、誰に何の目的でお歳暮を贈ったのだと言う明確な回答をしなければ否認されてしまうことになります。
そのため接待交際に使われた経費については、その都度メモ書きなど詳細な証拠を残しておくことが大事です。

極端な話、高級クラブの領収書が税務調査で出てきたとします。
調査官はこれだけで一発アウトだと否認に持って行こうとすると思われます。
しかし、「このときはこのお店でアパート経営の大先輩に物件の管理方法や入居者の募集方法を教えてもらっていた、同時にお店の女性にも女性が一人暮らしの部屋を選ぶ基準は?と聞き取りをしていた」と説明し、そのときの内容を詳細に記述したものを証拠として提示したらどうでしょう?
それだけ証拠を出されては、おそらく調査官は否認は出来ないはずです。※

3.まとめ

接待交際費が認められる基準は売上を伸ばすためや業務遂行上必要なもの、これは事業所得も不動産所得も同じ。

領収書があるだけで必要経費として認められる訳ではないので、その時の状況を証拠として残しておくこと。

※この内容が必ず税務調査で必要経費が認められることを保証するものではありません。

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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