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矢倉義之のナニワ大家道
第十九回「空き家の特例の要件緩和」

社会問題化している空き家増加の対策の一環として2016年から被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例、いわゆる空き家の特例が施行されていますが、今年(2019年)の税法改正で要件が一部緩和されました。

1. 空き家の特例とは

相続人が相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、相続日から3年以内かつ2016年4月1日から2023年12月31日までの間に売却し、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することが出来ます。

2.老人ホームに入居していても受けられるようになった。

この控除を受けるには一定の要件があります。
まず特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で、次の3つの要件全てに当てはまるもの(主として被相続人の居住の用に供されていた一の建築物に限ります。)をいいます。

  1. 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
  2. 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
  3. 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。

なお、平成31年(2019年)の税法改正により、要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所するなど、特定の事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合でも、「被相続人居住用家屋」に該当することになり特別控除が受けられるようになりました。

ただし、老人ホームに入居している間に他人に賃貸して家賃収入を得たりしていたら適用はされません。

3. 譲渡の要件

上記2の要件をクリアした上で下記の要件を満たした譲渡であれば特別控除が受けられます。

  1. 売却代金が1億円以下であること。
  2.  一定の耐震基準を満たす物件であること、耐震基準を満たしていない場合は耐震リフォームを行うか建物を除却して更地で売ること。

4. 共有で売却したときは各自が控除を受けられる。

例えば相続人3人が相続人居住家屋を共有で相続で取得し、共有で売却した場合、特別控除は3人が各自3000万円ずつ受けられることになります。

また、この特別控除は居住用財産の3000万円の特別控除とも併用が出来ます。しかし、その年の特別控除の限度額は3000万円+3000万円の6000万円とはならず、両方合わせても3000万円が限度額となります。
そのため場合によっては売却年度をずらすと言ったことも検討するべきだと思います。

まとめ

被相続人が死亡する直前まで老人ホームなどに入居するケースはよくある話ですので、今年の税法改正は相続してすぐ売却を考えている相続人には朗報だと思われます。

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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