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矢倉義之のナニワ大家道
第二十一回「利用価値が著しく低下している宅地の評価」

相続税の宅地評価において、次のようにその利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます。

1、道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの
2、地盤に甚だしい凹凸のある宅地
3、震動の甚だしい宅地
4、1から3までの宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

〇明確な基準が定められているわけではない

国税庁では上記の4つを具体例としてあげていますが、それぞれに明確な基準はなく、例えば1の著しく高低差があるものですが、それが何メートル以上だと適用される、また4の騒音もそれが何デシベル以上なら適用など具体的な数値基準が設けられていません

〇個別に査定する

国税庁HPでは、
「ただし、路線価又は固定資産税評価額又は倍率が、利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合にはしんしゃくしません。」
と書かれています。
つまり、この地域は元々騒音がうるさいからとか、高低差があるからとかで路線価や固定資産税の評価でそのことを考慮して減額しているものと思われる場合は、この評価減は適用されないことになります。

しかしこれは逆に考えれば、利用価値の著しく低下している状況を考慮して路線価を付していなければ適用されると解釈出来ます。
例えば同じ道路に面しているが、こちらは鉄道の線路のすぐそばの宅地で、500メートル離れた宅地も同じ路線価である場合、利用価値の著しく低下している状況を考慮しているとは言い難いので評価減が認められる可能性が高いと言えます。

〇不動産鑑定士に依頼するのも一つの手

このように、明確な基準が設けられていないことから個別の判断が必要になりますが、不動産鑑定士に宅地の鑑定を依頼し定書を添付することにより評価減が認められる可能性が高くなると思われます。

まとめ

利用価値が著しく低下している宅地の評価減は、騒音や高低差以外にも墓地や葬儀場など忌み地、送電線、ごみ処理場なども対象となる可能性が高いので、それらに当てはまりそうな人は専門家に相談されることをお勧めします。

国税庁HP No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価 参照

ABOUT ME
矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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