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矢倉義之のナニワ大家道
第二十二回「生命保険金を受け取ったら扶養から外れるのか?」

年末調整の時期ですので、会社から扶養控除等申告書などを渡されて家族の名前などを書いている人も多いと思われます。
ここで、一つ疑問になるのがこれまで配偶者控除や扶養控除にしていた家族が入院給付金を受け取った、あるいは相続により死亡保険金を受け取ったのだが、これまで通り扶養控除にしていいのだろうか?と言った質問を会計事務所に質問して来られるお客様も多いです。

1.入院給付金は非課税

個人が生命保険から受け取った入院給付金は金額にかかわらず非課税となります。 入院給付金のほか手術給付金、通院給付金、障害給付金、介護保険金、高度障害保険金などケガや病気で受け取る給付金なども非課税です。※1
ここでいう非課税とは所得税のことを差します。所得税が非課税ですのでそれに連動する住民税も非課税と言うことになります。

※1 公益財団法人生命保険文化センター引用

2.死亡保険金は相続税の課税対象

生命保険の契約上、契約者と保険料支払者が被相続人で受取人が相続人の場合、その受け取った保険金は相続により取得したとみなされ相続税の課税対象となります。ただし相続人1人あたり500万円の非課税限度額があります。

3.控除対象配偶者とは

控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
なお、平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

配偶者控除の適用がない方で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であり、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(令和2年分以降は48万円を超え133万円以下)である方については、配偶者特別控除の適用を受けることができます。また、配偶者特別控除額は最高で38万円ですが、配偶者特別控除の適用を受ける納税者本人の合計所得金額及び配偶者の合計所得金額に応じて異なります。※2

※2 国税庁HP No1191配偶者控除引用

4.控除対象扶養親族とは

扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
(注)出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

そして、控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。※3

※3 国税庁HP No1180扶養控除引用

5.合計所得金額の計算には含めない

このように、入院給付金は所得税法上非課税であり、死亡保険金も相続税の課税対象であっても所得税とは関係がないため、それぞれ上記3、4の(3)合計所得金額の計算の対象には含めないことから、他の収入の合計所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であれば、扶養控除からは外さなくていいと言うことになります。

ただし、養老保険などの満期解約返戻金などを受け取った場合は、一時所得の対象となりますので合計所得金額が増え、扶養控除からは外れることもあります。

まとめ

入院給付金は非課税、死亡保険金も相続税の対象なので基本的には合計所得金額には影響せず扶養対象とは関係がないですが、養老保険金などの満期解約返戻金などは影響があるので注意。

 

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矢倉義之
矢倉義之
大学卒業後住宅メーカーに3年間勤務、その後2001年から父親が所長を務める矢倉会計事務所に勤務し、2006年に税理士登録。2010年に独立し矢倉税理士事務所開業。2016年に父親の引退に伴い矢倉会計事務所と合併し現在に至る。開業後当初は意識していなかったのですが、増えて行く顧問先企業に不動産業と建設業が多いことに気づき、住宅メーカーで勤務していた経験が活きているということと、やはり自分はこの業界のことが好きなんだなと改めて認識しました。不動産のオーナー業は提案によって税金や社会保険料が大きく変わることが面白くやりがいがあります。縁あって、当事務所と関わるお客様には最大限の提案が出来たらと思います。
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