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「法人で不動産を買う場合と個人で買う場合の相続税への影響」
賃貸、コレでよかろうもん 第二十七回

法人で不動産を買う場合と個人で買う場合の相続税への影響

小1の息子はかくれんぼをするのがマイブームで、家で仕事をしていても呼ばれたらすぐに参加をしなければなりません。

先日も、かくれんぼをするからあと60秒でこっちきて!と言って、カウントを始めたのですが、

息子『60!、61!、62!、63!、…』、
私『増えとるやないか!』
息子『…68!、69!、70!と見せかけて50!』
私『なるほど、そうきたか』
息子『フフフ、50!、51!、52!、53!、…』
私『結局増えとるやないか!』てな感じで、カウントダウンはまだ苦手な息子でした。

1.不動産を法人で買った場合、個人の資産は?

法人で不動産を買う場合、個人としては不動産を持つ会社の株式が資産になります。

前回は、売主が法人の場合に、不動産だけを買うか、会社ごと不動産を買うかという場面でのメリット、デメリットを見ました。

法人で不動産を買うという場合は、法人が不動産の名義人となり、個人は不動産の名義人にはなりません。

個人は、その法人の株式を持つことで、間接的に不動産を所有する形になります。

(個人で所有)

 

 

 

 

(法人で所有)

 

 

 

2.家賃収入が誰のものになるかとかかる税金の違い

そして、家賃収入を受け取るのは不動産の所有者なので、個人で買った場合の家賃収入は個人で受取り所得税が課税されます。

一方で、法人で買った場合の家賃収入は法人が受け取り、法人税が課税されます。

所得税は稼ぎが大きいほど税率が高くなる超過累進税率という仕組みで、事業税も合わせると最大60%までの税率になるのに対し、法人税等については、約22%~約37%で最高税率は所得税よりも低いです。

個人で所有した場合と法人で所有した場合の違い

個人で所有 法人で所有
家賃収入 個人が受け取る 法人が受け取る
不動産収入にかかる税金の種類 所得税 法人税
表面税率(住民税、事業税含む) 15%~60% 約22%~約37%

 

個人で所有した場合と法人で所有した場合の相続税への影響

(1)家賃収入が蓄積することによる相続財産の増加
将来、個人に相続が発生したときに、相続財産となるのは、個人で買ったときは不動産そのものになるのに対して、法人で買ったときはその不動産を持つ法人の株式が相続財産になります。
そして、家賃収入によって課税対象の財産が増えれば、個人は直接的に相続財産が増えて相続税が増えます。一方で、法人の場合は、株式の評価額の上昇を通じて間接的に相続財産が増えますが、影響を直接受けず、類似業種比準価額方式という有利な株価評価の方法を加味できることで評価額が増加する割合を少なくできる場合があります。

個人で所有 法人で所有
個人の財産(相続税の対象) 不動産そのもの 不動産を持つ会社の株式
会社として売却する場合 直接的(家賃収入が貯蓄にまわる場合は直接的に相続税の対象となる財産が増える)

(例)相続税率30%の人が、10年間、毎年1000万円ずつ手残りがあるor借入金の返済をした場合
 相続財産の増加1億円
 相続税額3000万円増加

間接的(法人に利益が蓄積されると株式の評価額はあがるが、個人で持つその法人の株式の評価額があがる事による間接的な影響)
(例)相続税率30%の人が、10年間、毎年法人で1000万円ずつ手残りがあるor借入金の返済をした場合のイメージ
相続財産の増加7000万円
相続税額2100万円増加

(2)相続税の評価の仕方
不動産を個人で所有する場合、相続税を計算するときは、建物については固定資産税評価額をベースに、土地については路線価等をベースに評価額を計算します。

一方で、不動産を法人で所有する場合は、法人で持っている資産(預貯金、不動産、株式など)をそれぞれ相続税評価額に置きかえていき、そこから負債(借入金、預り敷金など)を差し引いた金額(純資産額)等を基に評価額を計算します。

そして、3年以内に取得した不動産については、通常の取引価格での評価をする必要があります(相続税評価額が使えない)。

法人はこの3年以内に取得した不動産について時価評価が必要という縛りがあるため、不動産投資をした当初は相続財産の評価減の効果は限定的で、評価減の効果が出るまでには時間がかかることになります。

個人で所有 法人で所有
相続税評価の仕方 不動産についてのみ確認すればよいので時間も費用も大きくかからない。 売主の会社の契約関係等をそのまま引き継ぐことになるので、契約関係やリスクの確認に時間を要する。場合によって弁護士や税理士等の専門家に調査を依頼することになり調査費用がかかる。

 

〇 まとめ

・法人で不動産を買う場合は、個人としては法人の株式を所有することを通して、間接的に不動産を所有することになります。

・法人で不動産を持つ場合と個人で持つ場合では、毎年の稼ぎに対してかかる税金の種類が異なります。最高税率は法人の方が低いです。

・相続税への影響も違ってくるため、法人で持つか個人で持つかについて詳しくは専門家によく相談するようにしましょう。

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清田博之
NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員、一般社団法人家族信託普及協会会員 相続問題に力を入れており、地主さんや大家さんの相続対策のご相談にのる事が多いです。地主さんや大家さんの相続対策については、税務の知識だけでなく、経営や法律、登記、測量、鑑定、売買等の幅広い知識が必要であると感じます。依頼者に寄り添う立場で相続問題の解決に取り組む心ある弁護士さん、司法書士さん、不動産会社さん、FPさん、不動産鑑定士さん、土地家屋調査士さん、一級建築士さん達とも連携して相続問題の解決に取り組んでいます。信頼できる専門家ネットワークで大家さんの賃貸経営と相続に関するかけ込み寺になりたいと考えています。
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