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リーゼント先生のやさしい相続
第一回「相続税っていつからあるの?これからどうなるの?」

相続税は明治38年に日露戦争の戦費調達を目的として創設されたのが始まりでした。
当初は臨時的な増税を契機として立法され、以降改正を重ねながら現在に至っています。
本稿では、これまでの「相続」のあらましとその変遷をたどっていきます。

1.家督相続

相続税が創設された当時の相続は、家制度の維持を目的とした「家督相続」とそれ以外の「遺産相続」とに区分がされていました。
家督相続とは、明治維新により従来の身分制度が廃止される一方で、これらの身分にあった家については華族としてその家を維持することを求められていたため「家」のリーダーである戸主からその地位と家の財産とを次のリーダーたる新戸主に承継させる制度となっていました。

2.家督相続時代の相続税

家督相続により、リーダーの地位と家の財産を承継することとなった場合の相続税は遺産相続に比して軽減されており、具体的には優遇(軽減)税率によりその税負担は軽いものとなっていました。これは、税金を払えないことで家を維持することができなくなっては「家制度」の存続にかかわることから政策上の配慮がされていたからです。

3.家督相続から平等相続への改正

家制度は、戸主に統率者として家を統括する権限が与えられていたため、その家族の個人の権利が制限される傾向にあったことから改正を求める声が戦前からあり、終戦により制定、施行された日本国憲法とも相反する部分があったことから戦後廃止がされました。
これにより、相続についても従来の家督相続が廃止され遺産相続に統一されることとなり、現在と同様に被相続人と相続人の親疎の別による平等相続に移行をしました。

4.民法改正による相続法の改正と相続税の計算への影響

約120年振りの民法改正では、相続の改正の一環として新たに「配偶者居住権」の創設などがされています。
これは、被相続人の所有住宅に居住していたその配偶者については、原則その配偶者が死亡するまでの期間につき無償利用を認める権利であり、残された配偶者の生活を保護することを目的としています。
相続税への影響として考えられるのは、配偶者居住権やこの権利が付されている不動産の評価方法が問題となることが想定されます。

まとめ

民法などの改正により形を変えていく相続、その相続の変化によって最終的に影響を受けるのが相続税です。
配偶者居住権に係る改正については、「公布日から2年を超えない範囲内において政令で定める日」とされていることから周知に時間を掛けて今後も検討がすすめられていくと考えられるので注視したいところです。

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羽藤徹夫
羽藤徹夫
税理士法人 大石会計事務所所属。 高校卒業後は主にガテン系の肉体労働に従事。体力の限界を感じ、税理士試験の勉強を開始。合格を機に税理士試験の受験専門学校へ転職。大原簿記専門学校で相続税法、法人税法の教鞭をとった経験を元に、相続税をやさしくわかりやすく解説。
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