住宅診断と不動産鑑定評価とのコラボによる有効な活用方法①
住宅診断と不動産鑑定評価とのコラボによる有
1.建物評価の現状
そもそも建物は新築時期や新築時の施工状態、その後の維持管理の状況や修繕の施工の質などにより、建物の劣化状況が異なります。また、勿論地盤の状態でも異なります。その個々の建物についての劣化状況の調査、言い換えると、建物の健康状態を観察することが住宅診断になります。
建物に対して、定期的な検査や修繕を行うことにより、法定耐用年
しかし、現在の評価制度では、建物に対する修繕履歴や劣化状況を
ほぼ法定耐用年数で決定し、評価してしまっていることが未だに多いようです。
因みに、木造建物の法定耐用年数は22年です。
例えば十分使用できる平成8年築の木造建物が、法定耐用年数に基
常識的にもあまり考えられないことです。
そうすると平成8年築の建物に、大規模修繕を施している場合であっても、ゼロ評価になってしまう恐れがあります。
2.由々しき現状の2つの要因
このようなことになるのは主に2つの要因があります。
1つは融資の局面が挙げられます。
金融庁検査のために、各金融機関が、「従来通りの法定耐用年数で評価していた方が無難で、問題が起きない。」というところにあると言えます。
どうしても金融機関は、バブルから多額の不良債権を生み出してしまったという教訓から、担保評価の場合には保守的になる傾向が強いという経緯からくるものです。
もう1つは、購入した投資用のアパートを、土地と建物に按分する際には、固定資産税の評価額で簡便的に按分することが未だに多いことです。
固定資産税の評価額はやはり、建物に対する修繕履歴や劣化状況を
3.国交省も推奨しているあるべき建物評価とは?
そもそも建物の適正な時価とは何か?ということを追究すると、やはり建物の修繕履歴や劣化状況を反映した調査が必要であり、そのような調査を基に、評価を行うことが実態に合致していますし
さらに、昨今、叫ばれているストック重視社会、低炭素社会ということで地球にとっても優しくもあります。実は、国土交通省も修繕履歴を反映した評価を推奨しているのです
下記をご参照下さい。
http://www.mlit.go.jp/common/0
では、あるべき建物評価を用いて、冒頭で述べました有効活用をするにはどうしたらよいのでしょうか?
次回は、具体的な活用方法について、もう少し踏み込んでご紹介したいと思います。