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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第十三回】弁護士 関 義之が斬る!①

賃料不払いによる解除について ①

こんにちは。弁護士の関です。
今回のコラムでは、数回にわたり『賃料不払いによる解除について』の判例をお送りいたします。

賃料不払いによる解除についての判例 その1

●賃料不払いにより解除できるか

大家さんが入居者に部屋を貸しているとします。
入居者が、4月分賃料を払いませんでした。
大家さんは入居者に賃料が「払われていませんよ、払ってください」と督促したところ、数日後に払われました。
しかし、入居者はまた5月分賃料を払いませんでした。
大家さんは怒って、賃貸借契約を解除したいと考えました。
可能でしょうか。

 

●信頼係不破壊法理

賃料支払義務は、賃借人基本的な義務であり、賃借人が賃料支払いを怠った場合、賃借人に債務不履行があることになります。
契約一方当事者に債務不履行がある場合には、もう一方当事者は、そ契約を解除することができます。

具体的には、民法541条には、

当事者一方がそ債務を履行しない場合において、相手方が相期間を定めてそ履行催告をし、そ期間内に履行がないときは、相手方は、契約解除をすることができる。

と定められています。

従って、先ほど例でも、大家さんは、入居者が5月分賃料支払義務を怠っているという債務不履行があるため、相当な期間(例えば、1週間)を定めてそ支払いを催告し、それでも入居者が5月分賃料を支払わない場合に、解除できるようにも思えます。

しかし、賃貸借契約では賃借人保護が図られており、裁判所では、賃借人に債務不履行があったとしても、信頼係が破壊されていない場合には、賃貸借契約解除は認められないと判断します。
これを、「信頼係不破壊法理」などと呼んでいます。
賃料不払いは賃借人最も基本的な義務ではありますが、先ほどように1か月分賃料不払いでは契約は解除できないと考えるが通常す。

では、何か月分なら解除できるか。
形式的に何か月分なら解除できると決まっているわけではなく、当該ケースごとに考えていく必要があります。
ご相談を受けていると、事案によっては、そ判断が大変悩ましいケースもあります。

次回からは、いくつか賃料不払いによる解除判例をご紹介したいと思います。

ABOUT ME
関 義之
関 義之
関&パートナーズ法律事務所 代表弁護士・中小企業診断士 平成10年3月に早稲田大学を卒業し、その年の10月に司法試験に合格。平成12年10月から弁護士登録。中小企業の総合支援を目標に掲げ、平成23年10月から中小企業診断士にも登録。法人・個人を問わず幅広く紛争に関する相談を受け、代理人として示談交渉や訴訟等に対応するほか、契約書の作成・チェック等、紛争が生じる前の予防法務にも力をいれている。
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