ブログ

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題
第三十回「賃貸住宅フェア出展のお知らせ&配偶者居住権で相続税の節税ができる?」

7月30日と31日の賃貸住宅フェア2019に出展します。
2日間ブースを出して、大家さん専門税理士ネットワークKneesの税理士による税務相談をやります。

私は、31日の10:30~セミナーをやります。
テーマは、
大家さん専門税理士が語る!「キャッシュが激増する無敵の経営」

◯賃貸経営は右肩下がりのビジネスモデルなのはなぜか?
◯キャッシュフローを改善するためのステップ
◯法人化と借り換えでキャッシュが激変する
など
お話します。
朝一のセミナーですが、是非お越しください!!

 

配偶者居住権が2020年から新設されます。
今年の税制改正でその評価方法が明らかになったのですが、配偶者居住権を相続した配偶者に相続が発生したとき(2次相続)には、財産価値があるとして評価するのか?疑問となっていました。

なぜならば、配偶者居住権は、最長でも終身の権利。
つまり、配偶者が亡くなったら、権利は終了するものの、土地の所有者は、居住権の負担がない、完全な所有権が手に入ることになるからです。

2019年7月8日に発表された法令解釈通達によって、これが明らかにされました。

配偶者居住権を途中で合意解除や放棄した場合には、配偶者居住権に相当する財産を、所有者(土地の所有権を持っている人)に贈与したものとして扱われます(贈与税がかかる)。

しかし、配偶者居住権が期間満了により終了した場合や配偶者が死亡した場合には、贈与や相続の対象とはしない。というものです。
つまり、配偶者に相続があった場合には、配偶者居住権には相続税がかからないということです。
これを利用することで、相続税の節税も理論上は可能になります。

設例

自宅 1億円(1次相続時点の配偶者居住権を3,000万円とする)。
その他財産 8,000万円
1次相続の相続人 配偶者と子 2名 /2次相続の相続人 子 1名

自宅に配偶者居住権設定して所有権を子に相続、その他の財産を1/2づつ相続した場合
1次相続での配偶者の取得財産を配偶者居住権3,000万円+その他4,000万円=7,000万円とする。

1次相続

1億8,000万円-4,200万円(相続人2人の基礎控除)=1億3,800万円

相続税 1,674万円(配偶者の税額軽減1066万円適用)

2次相続

4,000万円-3,600万円(相続人1人の基礎控除)=400万円

相続税 40万円

1次相続と2次相続の合計 1,674万円+40万円=1,714万円

もし、配偶者居住権が相続税の対象になるのであれば、2次相続の相続税は、480万円になり、1次相続と2次相続の合計が、2,154万円になります。

約440万円の節税になります。

今後は、配偶者居住権を設計することが相続税対策でも重要になってくるのではないかと思います。

まとめ

・7/30、7/31 賃貸住宅フェアでお会いしましょう!

・配偶者居住権の2次相続の評価が明らかにされました。

・配偶者居住権を上手く使うと相続税の節税になるかも!「賃貸住宅フェア出展のお知らせ&配偶者居住権で相続税の節税ができる?」

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
さらに詳しく知りたい方へ