ブログ

専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第八十二回】不動産鑑定士・住宅診断士
皆川 聡が斬る!③

「梅雨の前にしておきたい、建物の点検ポイント」③

皆さんこんにちは!
今月担当の不動産鑑定士・住宅診断士の皆川聡です。

前回までの2回については、梅雨入り前にやっておきたい建物のチェックポイントをお伝え いたしました。

今回は、もし皆様のお持ちの物件の中で、空室の部屋がある場合に、やっておきたい        チェックポイントをお伝えいたします。

そのチェックポイントとして、以下の3つを挙げさせていただきます。

それは、

①バルコニー部分のチェック、
②押し入れ天袋の点検口からのチェック
③ユニットバスの点検口からのチェック

になります。

1.バルコニー部分のチエック

バルコニー部分のチェックポイントは、バルコニー内部の水はけの状態です。      しっかりと勾配がとれているかを確認して下さい。

勾配が取れていないと水が溜まりやすく、そこから、防水機能の劣化や躯体への影響を  早める可能性が高いのです。特に、ドレイン廻りに水が溜まりがちです。        よくあるのはドレインが高い場所にあり、
その周辺が下がっているという逆勾配になっているという状態です。

また、笠木部分のコーキングや隙間がないかどうかも確認してください。

隙間があると、どうしても水はそこから入ってしまいますので、バルコニー内部を伝って 建物の躯体の方に水が流入する可能性があるからです。

2.押し入れ天袋の点検口からのチェック

押し入れ上の天袋の点検口からのチェックポイントは、
まず隙間が空いてるかどうかを確認しましょう。

点検口のちょっとしたズレでも、そういった隙間から虫が出てくるのではないかという  懸念を感じる人がいます。ということは、それだけでも空室対策としてマイナス要因に  なってしまいます。

ちょっとしたズレの場合は脚立などで上がって直されるとよろしいかと思います。

また、脚立を使って、その点検口から屋根組・小屋裏を見てみましょう。        その時に雨染みや界壁やカビの有無などが確認できるかと思います。

3.ユニットバスの点検口からのチェック

ユニットバスの点検口からのチェックポイントについても、天袋の時と同様の内容が確認 できると思います。

それに加えて、排気ダクトの接合状況や、上の階のユニットバスの給水管等の配管状況も 確認できる場合があります。場合によりましては、給水管から水漏れということも、   築年が30年以上経っているような建物ですと比較的見られますので、         そのような点もチェックしてみてください。

今回は以上になります。

次回は、住宅診断を含めた鑑定評価の活用方法と節税での鑑定評価の活用方法を抜粋して お伝えいたします。

点検口からのチェックの際には、脚立などに上がったりされますので、
どうぞお気を付けて下さい。ちょっと無理かもというときは専門家へ
ご依頼されるのもよろしいかと思われます。

今回も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

 

ABOUT ME
皆川聡
株式会社Aoi不動産鑑定 大手不動産鑑定会社に約8年従事し、メガバンク、政府系金融機関、地銀、信用金庫、信用組合などの金融機関の担保評価をメインに約2500件の案件を携わり、国際線ターミナルの評価の実績もあり。 退職後、平成27年4月に開業。 開業後は、税務対策の鑑定評価や裁判調停等の鑑定評価での多数実績。住宅診断を反映した鑑定評価にて、より清緻な鑑定評価を行っており、鑑定評価額だけではなく、皆様の建物の日ごろのメンテナンスのポイントなどもご提案し、ご好評をいただいております。また2020年10月には、相続税の還付請求にて、他の不動産鑑定士が国税不服審判所にて否認された案件を、その後当職が不動産鑑定を担当。圧倒的な不動産鑑定評価により、東京地裁において、国税庁との裁判で無事完全勝訴しております。
さらに詳しく知りたい方へ