『大家さんが活用できる借入れについて』
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒﨑です。
今週は、賃貸物件の「リフォームローン」情報をご提供いたします。
1.賃貸物件のリフォームローン
賃貸経営において必要不可欠なリフォーム工事。
定期的なメンテナンスや必要な補修工事、大規模修繕などを実施するためには、
修繕費用を計画的に準備しておくことが大切です。
しかし、修繕工事費が高額になる場合は、資金繰りが悪化しないためにも
リフォームローンを活用する場面があるかと思います。
リフォームローンは目的別ローンという分類で、銀行、クレジットカード会社、
信販会社などが取扱いをしています。適用金利は1.90%~2.90%(2019年07現在)
の範囲、融資額は30万円~1,000万円の範囲、返済期間は7年~25年の範囲で、
取扱う金融機関により、その範囲は異なります。
また、リフォームローンは、資金の使いみちを住宅に限定している金融機関が
多く、アパートや賃貸マンションのリフォーム代に利用できるのは、
数が少ない状況です。
2.リフォーム会社と金融機関の関係性
リフォーム会社は、中古住宅の活性化や空き家の再生、
住宅のバリアフリー化を背景に、リフォーム工事の件数が増加傾向にあり、
お客様へのリフォームローンの斡旋を積極的に行いたい要望があります。
しかし金融機関は、過去に悪質なリフォームの訪問販売において、
行き過ぎたオーバーローンで多くの問題を抱え、
平成20年の割賦販売法の改正を背景に、リフォーム会社との提携ローン等が
禁止となりました。そのため、両社の関係は密になれない情況があります。
3.リフォームローンの利用方法
上記のことから、リフォーム会社に金融機関を紹介してもらうのは
難しい状況にありますので、ご自身で金融機関を選択する必要性があります。
ここで注意しなければならないのは、
金融機関によっては、リフォーム会社が建設業許可を取得していることを
最低条件にしている場合があることです。
リフォーム工事金額が500万円以下であれば建設業許可がなくても
リフォーム工事を請負うことは問題ありませんが、金融機関のローン審査に
おいては、申込人だけでなくリフォーム会社も審査の対象となることが
あるのです。
つまり、リフォーム会社もご自身で探す時代とも言えますので、
以下に参考にできるWEBサイトをご紹介いたします。
◆リフォーム費用の相場確認方法◆
https://www.homepro.jp/
◆建設業許可の確認方法◆
http://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/kensetuInit.do
4.リフォームローンの利用方法
借入額500万円、適用金利が2.5%の場合、月々の返済額は次の通りです。
返済期間 5年 10年 15年 20年 25年
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月々返済額 88,736円 47,134円 33,339円 26,495円 22,430円
ローンの総返済額を少なく抑えるのであれば、
返済期間を短くすることになりますが、月々の返済額を抑え、
資金繰りを圧迫させないのであれば、返済期間を長めにすることが良いです。
また、税務との関わりにも注意をする必要があります。
修繕のために支出した費用が、建物の通常の維持管理や原状回復に要する部分
であれば、修繕費として、その年に全額を経費計上できますが、
建物の使用可能期間を延長させたり、時価を増加させる部分であれば、
資本的支出として資産計上し、減価償却費として毎年耐用年数に応じて
経費計上していきます。
そのため、資本的支出に該当する場合はキャッシュフローが悪化するため、
リフォームローンの返済期間は耐用年数に応じて長めの期間とした方が、
資金繰りは安定します。リフォーム会社の選び方、金融機関の選び方、
資本的支出の適用可否などが判断できない場合は、専門家に相談しましょう。