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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第309回】
保険×不動産マイスター津曲(つまがり)が贈る    大家さんのリスクとは?その③

~大家さんのリスクとは?~ 

今月号は、保険×不動産マイスター 津曲(つまがり) 巖(いわお)より、
お届けいたします。

ウクライナ情勢も刻一刻と深刻さを増しています。
犠牲になられた方々の衷心
廻向と戦禍の早期鎮静を祈りつつ今月号を送らせていただきます。
拝読いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

今号は、
分かりやすく、まずは「3つの指数」のうち残りの2つを
確認をしていきましょう。

●注目する不動産経営上の「指数」=「実効総収入」とは

実効総収入とは、前回触れたように
『想定満室時総収入』―『空室・滞納リスク(損失)』で求めることができます。

満室状態が何年も続く超優良物件もございますが、
ほとんどの物件が、空室を抱える期間があります。

年間12カ月の内、何カ月空室期間があるか?

空室期間が長くなればなるほど大家さんの胸中いかばかりか。
想像に難くありません。

巷では、空室期間を最短にする方法や他の競合物件に勝つリノベーション、
そもそも、土俵を変える=ペット特化型や音楽特化型などの
工夫などなど溢れている状況もそれを裏打ちしています。

また、この空室期間を極力短くする努力、
工夫こそが物件の寿命を延ばすといっても過言ではないでしょう。

ただ、賃料収入【安定確保】のためにここで忘れてはならないのは、
家賃の「滞納リスク」です。
いかに入居時に厳格に人的属性を審査しても、
入居中に「失業」「転職」などによる収入減による滞納は
少なからずありましたが、今回のコロナ禍による収入減で家賃の
滞納リスクが大きくクローズアップされたことは記憶に新しいですね。

このリスク回避のために「保証会社」を必ず通すのもリスクヘッジとして
有効な手段です。

さらに、家族構成の変化から独居死(孤独死)や室内外での自殺による
空室リスクもコロナ禍で増加傾向にあります。

室内の清掃、リフォーム、この間の収入減をカバーする損害保険も
注目されています。
不可抗力による収入減には、
損害保険の活用しか対応できないからこそ、
適切な保障を適正な保険料でカバーすることがますます重要です。

不動産管理・経営の面で、しっかりと「マサカ」に備え、
月次もしくは年次で「異変」
を素早くキャッチすることがますます求められます。

さて、3番目の指標について、みていきましょう。

●注目する不動産経営上の「指数」=「NOI」とは

NOI(営業純利益)とは、
=実効総収入―運営費用(修繕費・管理費等支出+税金)で求めます。

ご自身にとって適正な「純利益」はどの程度を想定しているか。
年間を通じて安定確保できているか。重要なポイントですね。

ここでは「修繕費」に着目して年間平均でどの程度か?
空室率との関連、大規模修繕との兼ね合い等々見極め想定する利益を
「安定的に」確保し続けられる仕組みの構築が大切です。

以上、前号より二週続けて不動産経営上の特に重要な3つの指標の勘所をみて
きました。いかがだったでしょうか。

さて、最終回は、これらを踏まえて大家さんにとっての「デッド・クロス」とは
も確認してまいりましょう。

 

 

ABOUT ME
津曲巖
大手不動産会社にて相続・資産形成コンサルティング営業、管理職を歴任。都内を中心に数多くの土地有効活用、相続対策、資産の組み換え、買い換え等のコンサルティングを手掛ける。 ヘッドハンティングにより外資系金融機関に転身、不動産・保険を中心にFPコンサルタントとして 活躍。2002年独立系FP事務所設立。 不動産・金融機関での経験を活かし、上場企業、官公庁等での社員研修、マネー・ライフプランセミナー講師として、また、後進の育成にと全国で活躍中。 TVのCMでも有名なスーモカウンターや日本FP協会等でのFP相談ほか、企業の財務・営業コンサルティングも精力的に行っている。
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