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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第357回】
 二代目大家の小宮 哲朗が語る  ④

「不動産『買いたい病』にならないための処方箋」

みなさまこんにちは。今月は二代目大家の小宮 哲朗より
「不動産『買いたい病』にならないための処方箋」と題して、
4回に分けてお送りいたします。

最終回の第4回は「買いたい病から卒業するための戦略転換」です。

過去3回のでもお伝えしている通り、
不動産価格高騰の状況下での物件購入はより難易度が上がっています。
このような状況下で今後も安定して賃貸経営を続けていくためには今までと考え方を変え、
「戦略転換」する必要があると考えます。
今回は以下に私自身の見解をお伝えします。

1.「不動産投資の目的」を再定義する
唐突ですが、改めてみなさんが不動産投資を始めたときのことを思い出しながら、
不動産投資を行う目的を言語化してみてください。
「脱サラ、FIREする」、「副収入を得る」のような
表現では抽象的すぎるので、
もう少し具体的に数字に落とし込んでみましょう。
例えばサラリーマン大家さんの方であれば、
「本業の会社員年収は○○万円だから、
この本業年収と同額のキャッシュフローを目標にする」といった感じです。
ちなみに数字目標を掲げる際に「家賃年収」や「総資産」を
目標にする方がいらっしゃいます。
別に悪いことではないのですが、
できれば家賃年収ではなく「手取りのキャッシュフロー」を、
総資産ではなく「純資産」の金額を数値目標で立てましょう。
より数値目標が具体的になります。
なお「純資産」とは、総資産(現金、不動産、その他金融資産など)から、
総負債(借入返済、預り敷金など)を引いた金額になります。

2.「規模の拡大」を目的にしない
目標とするキャッシュフローを実現するためには
一定以上の資産規模拡大は必要です。
しかし規模を拡大すること自体は「目的」ではなく、
不動産投資を継続して安定させていくための「戦略」の一つです。
不動産投資はできるだけ自己資金を使わず、
物件の数を増やすとことで資産規模が拡大していきます。
しかし「資産」が増えていくと同時に「負債」も増えていきます。
つまり金融機関へ返済する元本、
利息が規模拡大によって重くなっていくのです。
よって規模拡大を目的とするのではなく、
「自己資本と借入のバランス」を常に意識して
賃貸経営を行っていく必要があります。
専門用語でいうと「自己資本比率」と「返済比率」が
一定水準を保てているかが重要です。

3.「リスク」を数値化し、最小化する
ご存知の方も多いと思いますが、不動産投資には様々なリスクが存在します。
そもそもはじめに物件購入する時点で
金融機関から借入を行うこと自体がリスクを背負うことになります。
当然賃貸経営で稼働率を安定させることでリスクをヘッジしていくわけですが、
このリスクを「できるだけ数値化し、
最小化する努力をする」ことが重要だと考えます。
具体的な例をあげると「空室率が○%になると
家賃収入が○○円減少し、毎月の収支が赤字になる」のように、
リスクを数値化できれば最小化するための行動目標も
よりイメージしやすくなり具体的になるということです。

4.常に「出口戦略」を考える
不動産投資における出口戦略とは、
「物件売却」のことです。出口戦略を考えるとは、
「将来的な売却時期をある程度想定したうえで物件購入する」
ということです。
大家さんの中には「良い物件を購入できただけで満足してしまっている」方も
少なくありません。
しかし不動産は自分自身が亡くなって相続が発生しない限り
いつかは売却しますので、
購入時に売却のことを考えておくことは必須です。
個人的には「買いやすい物件よりも売りやすい物件」を
購入することをおすすめします。
例えば築古戸建をはじめとする安価な物件は買いやすいですが、
将来的に売りづらい(買い手のニーズが低い)のが特徴です。
一方で都心・駅近などの物件は
価格が高く購入希望者も多いため競争が激しいため買いづらいですが、
資産価値が落ちにくいため売りやすいという特徴があります。
将来出口戦略で苦戦しないように考えていきましょう。

5.常に「学びつづけ、知識をアップデート」する
ご存知の方も多いと思いますが、
日本は少子高齢化による人口減少により賃貸物件の空室数も年々増えているため、
今後賃貸経営はますます厳しい競争にさらされることが予想されます。
このような状況下で安定した賃貸経営を行い生き残っていくためには、
大家さん自身が常に知識をアップデートし続け、
管理会社と良好なパートナーシップを築きながら
賃貸経営に主体的に関わっていくことが不可欠です。
不動産賃貸業界のニュースを逐一チェックする、
書籍を読む、セミナーへ行くなど、
常に大家さんとしてのスキルアップも怠らないことが大切です。

以上、今回で4回に分けてお送りしてきました
「不動産『買いたい病』にならないための処方箋」は終了となります。
みなさまのより良い賃貸経営の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
小宮 哲朗
◆事業内容 2012年にサラリーマン大家として不動産投資を開始。 父親も個人で大家さんをしていたため、相続対策として法人化を実行し、現在は法人で賃貸経営を行っている。サラリーマン時代は不動産ポータルサイト「HOMES」の運営会社でエンジニアを勤め、不動産会社向けシステムの開発に従事。 不動産とITの両方に強い専門家として、不動産業界に特化したITコンサルティング、不動産テックの啓蒙活動を行っている。
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