渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第162回
今回から相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。
Q
相続税の申告はいつまでにするのでしょうか?
相続税の支払いはどのタイミングでするのでしょうか?
A
1.相続税の申告期限
相続税の申告期限は、
被相続人が死亡したことを知った日の翌日から
10か月以内に行うことになっています。
被相続人が死亡したことを知った日とは、
通常の場合は、被相続人の死亡の日になります。
1月15日が死亡の日であれば、11月15日が相続税の申告期限になります。
7月20日が死亡の日であれば、翌年5月20日が相続税の申告期限になります。
期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます。
なお、起算日が、被相続人が死亡したことを知った日以外になる場合があります。
例えば、相続人である子Aが相続放棄して、次順位の親Bが相続人になるような場合には、
死亡した日に、親Bが、自分が相続人になることがわからないため、
親Bが「自己が相続人であることを知った日」が起算日となります。
期限が10ヶ月以内のため、期限前に提出しても構いません。
しかし、相続財産の中に土地がある場合には、
土地評価をしなければなりません。
令和6年1月に相続が発生した場合には、
令和6年の路線価を使用する必要があります。
その年の路線価は7月1日に発表されることになります。
7月1日以降でないと、正確な土地評価の計算ができないため、
必然的に申告は7月以降になります。
2.納税のタイミングと連帯納付義務
相続税を支払うタイミングは、申告期限と同じになります。
相続税は、相続人が取得した財産に応じて支払うことになります。
複数の相続人がいる場合には、
1人が自分の分を納めればよいことにはなりません。
相続税は、各相続人がお互いに連帯して納付しなければならないという、
「連帯納付義務」が課せられています。
誰かが払わない分があれば、自分に降り掛かってくる可能性があるのです。
不安な場合には、相続人を代表して一括して相続税を払い、
後ほど、各相続人に対して精算を行うという方法が取られます。
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