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海外不動産の相続税評価は?小規模宅地の減額できる?

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第169回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q 海外の不動産投資をしています。私に相続があった場合には、
海外不動産も相続税の対象になるかと思います。
この不動産の評価はどのようにされるのでしょうか?
また、小規模宅地の減額は適用できるのでしょうか?

A
1.海外不動産の相続税評価
財産評価基本通達5-2には、次の通り規定されています。
「国外にある財産の価額についても、
この通達(財産評価基本通達)に定める評価方法により評価する。
なお、この通達の定めによって評価することができない財産については、
この通達に定める評価方法に準じて、又は売買実例価額、
精通者意見価格等を参酌して評価する。」

海外不動産の土地には、路線価が付されているわけではありません。
基本的には、現地における鑑定評価額や査定額を採用することになります。

ただし、国によっては鑑定や査定が難しい場合もあります。
この場合には、課税上弊害がない限り、
取得価額に、時点修正をするための合理的な価額変動率を
乗じて評価することが認められています(財産評価基本通達5-2(注))。

合理的な価額変動率とは、
公表されている統計指標等から求めるなどが考えられます。

なお、日本の不動産を賃貸している場合には、
建物は30%減額、土地は借地権割合によって約20%程度の減額ができます。

これは日本の借地借家法の適用があることを前提として評価する方法です。
国外不動産には借地借家法の適用がありませんので、
これらの減額ができないことに注意をしてください。

2.小規模宅地の減額は適用できるか?
被相続人が所有していた宅地について、
事業用、居住用、賃貸用のいずれかに利用していた場合で、
一定の要件を満たすときは、土地の評価を80%(賃貸用は50%)
減額できる特例です。

賃貸している不動産であれば、取得した相続人等が、
相続税の申告期限まで賃貸を継続していれば200㎡まで50%減額ができます。

賃貸用の不動産について、国内に限定しているわけではないため、
海外の不動産であっても他の要件を満たせば、減額の適用は可能です。

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ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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