東京の中心で税務を叫ぶ 第90回コラム
そもそもリリーフクロスって何?
そもそもリリーフクロスって何?
お話しします。
こんにちは!
前回、デッドクロスとエンジェルクロスについてお話しましたが、
今回は合わせてリリーフクロスについてお話いたします。
おさらいですが、エンジェルクロスとは、
物件保有中の手残り累計と借入金の残債とを比較した指標です。
「保有中の手残り累計>借入金の残債」
2つの数値を比較したときに、
上記のように、残債よりも、保有中の手残り累計が上回れば、
理論上はいつでも繰上げ返済して完済できる状態と言えます。
ただ、残債に対して、毎年の手残りが少ない状態が続くと、
手残りがなかなか溜まらないため、
エンジェルクロスが起きる時期もなかなか来ないことになります。
そこで合わせて見て頂きたいのが、
売却も絡めたリリーフクロスという指標です。
リリーフクロスとは、
売却時の手残り+保有中の手残り累計と、
借入金の残債とを比較した指標です。
(リリーフ(救済)クロスという呼び名も、
私達が勝手に名付けて使っている造語です。)
なお、残債との比較のため、この場合の売却時の手残りは、
残債を返済する前の手残り(売却金額-売却経費-譲渡税)を使用します。
「売却+保有中の手残り累計>借入金の残債」
上記のように、残債よりも、
売却+保有中の手残り累計が上回れば、
理論上は売却すればいつでも繰り上げ返済して完済できる状態と言えます。
グラフで表すと下記のようになります。
今回のケースでは、
3年目にリリーフクロスが発生します。
売却が前提とはなりますが、
4年目以降は少し安心した気持ちになれるのではないでしょうか。
たとえデッドクロスになったとしても、
リリーフクロスの状態になっていれば、
売却さえすれば残債を返済できる状態なので、
キャッシュフローのプラスを維持できれば、
今後も経営を続けていくことが可能だと考えられます。
まとめ
①リリーフクロスとは、残債以上に、売却+保有中の手残りがある状態です。
②保有中の手残りが少ない場合には、売却時の手残りの見込みも含めて経営状態を判断しましょう。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。