東京の中心で税務を叫ぶ 第61回コラム
そもそも生前贈与って何?
こんにちは!
今回は生前贈与についてお話したいと思います。
生前贈与で相続税の節税ができなくなる?
生前贈与とは、その名の通り、亡くなる前に財産を贈与することです。
多額の相続財産を保有している人が、その状態のまま相続が発生すると多額の相続税が発生してしまいます。
そこで、生前に相続人に贈与を行えば、相続財産を減らすことができます。
生前贈与をした場合には、贈与を受けた人に対して贈与税が課されますが、毎年少しずつ贈与することにより、贈与税の負担を減らすことができます。
生前贈与の上限額?
ところで、「贈与は110万円まで!」というお話をよく耳にすると思いますが、これはなぜでしょう?
贈与税は、1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。
このようなことから、「贈与は110万円まで!」というお話が出てきたのだと思います。
110万円を超えた贈与はしない方がよい?
では、110万円を超えた贈与はしない方がよいのでしょうか?
実際に110万円以上の贈与をした場合、どのくらいの贈与税の負担になるか計算してみると、下記のようになります。
贈与を受けた額 | 贈与税額 | 税負担率 |
200万円 | 9万円 | 4.5% |
300万円 | 19万円 | 6.3% |
400万円 | 33.5万円 | 8.4% |
500万円 | 48.5万円 | 9.7% |
たとえば、200万円の贈与の場合、税額は9万円となり、税負担率(贈与の額に対して実際どのくらいの税金を負担するか)は5%くらいになります。
また、500万円の贈与の場合は、税額が48万円となり、税負担率は10%くらいになります。
相続税の最低税率は10%ですので、相続のときに相続税が発生するのであれば、
事前に贈与して、贈与税で済ませてしまった方が有利な可能性があります。
前回のコラムでお話しましたが、今後、生前贈与については、税制改正が予想されますので、贈与税を払ってでも今のうちに生前贈与しておくことも選択肢の一つだと思います。
まとめ
①500万円くらいまでの贈与なら、相続税を負担するより有利な可能性があります。
②贈与の事実を明確にするために、贈与契約書を作成することをおすすめします。
③110万円超の贈与を受けた人は、翌年3月15日までに申告、納税が必要です。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。