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なぜ不動産投資は節税になると言われるのか

東京の中心で税務を叫ぶ 第195回コラム

大家さん
大家さん

なぜ不動産投資は節税になると言われるのか

大野
大野

なぜ不動産投資は節税になると言われるのか
について、お話しします!

こんにちは!
サラリーマンの方は、不動産投資で節税しましょう!
と不動産会社に言われることは多いと思います。
そこで、なぜ不動産投資は節税になると言われるのか簡単にご説明します。

まず、個人の税金の計算方法を知っておく必要があります。
個人に課される所得税は、所得を10種類に分けて計算します。
所得というのは、基本的には、
収入から経費を差し引いて計算した利益のことです。

その所得は、大きく、総合課税のものと、
分離課税のもので分かれます。
総合課税の所得は、複数の所得を合算して、
その合計所得に税率をかけて税金を計算します。
分離課税の所得は、他の所得と合算することはせずに、
各所得に直接税率をかけて税金を計算します。
最終的に、総合課税の税金と、
分離課税の各所得の税金を合算した金額を納税することになります。

不動産投資による所得は、不動産所得になります。
不動産所得は、総合課税です。
そして、サラリーマンの方の給与は、
給与所得になり、これも総合課税になります。
つまり、不動産所得と給与所得は合算してから、
税率をかけることになります。

もし、不動産所得がマイナス(赤字)であれば、
給与所得のプラスと相殺することができます。
これを損益通算といいます。
損益通算すれば、当然に所得の合計は減りますので、税金も少なくなります。
これが不動産投資は節税になると言われる理由です。

不動産所得が赤字になる主な理由は、
減価償却費(経費)によります。
賃貸物件のような事業用資産は、
建物部分の価値が経年劣化により減少するとみなされます。
そこで、建物の購入金額を、
法律で定められた年数(耐用年数)で割り算して、
毎年の経費として計上していきます。
毎年の家賃収入に比べて減価償却費の方が大きければ、
不動産所得が赤字になるというわけです。

ただし、減価償却は耐用年数を経過したら終了します。
その後は、通常は不動産所得は黒字になり、
全体の所得は増えて、税金も上がることになります。

このように、短期的には節税できても、
長期的には増税になる可能性があるのが不動産投資です。
税金だけで判断するのではなく、
手元に残るお金(手残り)が増えるかどうかで
不動産投資するかを判断すべきだと考えます。

まとめ

①不動産投資が節税になるのは、赤字を損益通算できるからです。
②税金だけではなく、キャッシュフローで判断するようにしましょう。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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