~分譲マンション投資の魅力~
今回から、現地調査の「室内調査編」に入ります。
壁紙を貼り替え、ハウスクリーニングを入れれば、
室内は見違えるようにきれいになります。
しかし、見た目が整っていることと、
設備がきちんと動くことは別の話です。
そして室内には、共用部分とは決定的に違う点があります。
直すのが自分だということです。
1.共用部分と専有部分では、直す人が違う
外壁や屋上、廊下などの共用部分は、
管理組合が修繕積立金を使って直します。
一方、室内の内装や設備は専有部分であり、
壊れたときに直すのは区分所有者、
つまりオーナー自身です。
エアコンが止まっても、
給湯器が壊れても、
トイレの水が流れなくても、
費用はすべて自分の財布から出ていきます。
賃貸中であれば、
貸主には設備を修繕する義務があります(民法606条)。
入居者の生活に直結する設備ほど、
壊れたら待ったなしで直さなければなりません。
室内調査とは、
購入後に自分が払うことになる修繕費を、
買う前に見積もる作業なのです。
2.売主に請求できる範囲は思ったより狭い
「買った後に壊れていたら、
売主に直してもらえばいい」と考える方もいるかもしれません。
ところが中古マンションの売買では、
売主に責任を問える範囲はかなり限られています。
個人が売主の場合、契約不適合責任を免除する特約や、
責任を負う期間を短く区切る特約が付くことが少なくありません。
設備については、
引渡しから7日以内に見つかった不具合に限って修復する、
という取り決めが一般的です。
宅建業者が売主の場合は、
宅建業法により責任を負う期間を
引渡しから2年より短くすることはできません。
それでも、経年劣化による故障まで売主の責任になるわけではありません。
中古の設備は、古くなっていることを前提に売買されているからです。
つまり、見ないまま買った室内の状態は、
基本的に買主が引き受けることになります。
売買の際には、売主が設備の有無や不具合を記載した
「付帯設備表」や「物件状況等報告書」が渡されます。
これらの書類は結論ではなく、
室内で答え合わせをするための索引だと考えてください。
3.図面と写真では分からないこと
室内に入ると、
図面や募集写真では伝わらないことにも気づきます。
扉を開けた瞬間の空気感、
日当たり、そして窓からの眺めです。
たとえば5階の住戸なら眺望が抜けていると思いがちですが、
道路を挟んだ向かいに6階建ての建物があれば、窓の外は壁になってしまいます。
こうした点は、
入居者が内見で真っ先に感じ取るところでもあります。
自分が住むならどう感じるか。
その感覚も、投資判断の大切な材料です。
4.まとめ
オーナーチェンジ物件では室内に入れませんが、
空室の物件であれば中を確かめることができます。
室内を見られることは、
購入後の出費を前もって読めるチャンスです。
そして物件を見るたびに前の物件と比べられるようになり、
目は確実に肥えていきます。
初心者のうちは、
気になる設備があれば、
その交換費用を価格に織り込んで判断するくらいの
慎重さがちょうどよいでしょう。



