東京の中心で税務を叫ぶ 第233回コラム
パブリックコメントって本当に効果があるの?
パブリックコメントって本当に効果があるの?
についてお話しします!
こんにちは!
「パブリックコメントを出してください」と言われても、
「一般人が意見を出したところで、何も変わらないでしょう?」
そう思われる大家さんも多いのではないでしょうか?
今回は、パブリックコメントに本当に効果があるのか、
実際の事例をもとにお話ししたいと思います。
そもそもパブリックコメントって何?
パブリックコメントとは、
国が新しいルールを作るときに、
案を公表して国民から意見を募る制度です。
正式には「意見公募手続」といい、
2005年の行政手続法の改正で、
法律上の制度として定められました。
税金の世界でも、
国税庁が「通達」を変えるときに意見募集が行われます。
通達というのは、
税務署の職員が仕事をするときに従う、
法律の読み方のマニュアルのようなものです。
マニュアルとはいえ、
実務はほぼこれに沿って動きますので、
大家さんへの影響はとても大きいんです。
本当に効果はあるの?
正直に言いますと、
意見募集をしても、
原案通りに決まるケースが多いです。
ただ、案が大きくひっくり返った事例もあります。
2022年8月、国税庁は
「副業の収入が300万円以下なら、原則として雑所得とする」
という通達案を出しました。
雑所得になると、
副業の赤字を給与と相殺すること
(損益通算といいます)ができなくなり、
青色申告の特典も使えなくなります。
これに対して7,000件を超える意見が集まり、
そのほとんどがインターネットから個人が出したものでした。
その結果、10月に公表された通達では
「300万円以下は雑所得」という部分が削除され、
帳簿をきちんと保存していれば
事業所得になり得る形に修正されました。
わずか2か月で、一般の人の声がルールを変えたんです!
効いたのは「数」より「中身」
では、7,000件という数の力で変わったのでしょうか?
実はパブリックコメントは、
意見の数ではなく内容を考慮する制度です。
副業のケースでは、
「政府の副業推進の方針と矛盾する」
「収入は少なくても、事業として真剣に取り組んでいる」など、
立場も事情も違う人たちから、具体的な声が集まりました。
一人ひとりの事情が、
国税庁が想定していなかった
「現場の実態」を伝えたからこそ、
案が見直されたと考えられます。
考えてみると当然ですよね?
役所の机の上だけでは、全国の副業の実情までは見えません。
今、大家さんに関わる意見募集が行われています
国税庁の「貸付用不動産の評価について」の通達案、
いわゆる5年ルールです。
この案のままでは、
長年続けてきたアパートの建て替えまで、
相続対策の駆け込み購入と同じように
扱われるおそれがあります。
建て替え直後に相続が起きて相続税が大きく増えれば、
納税資金のために物件を手放すことにもなりかねません。
老朽化したアパートを建て替えて
次の世代に引き継ぐことは、
三代続く賃貸経営に欠かせない判断です。
その判断を、
税金がためらわせることがあってはいけないと考えます。
問題点の詳細と、
意見の出し方・見本はこちらの記事にまとめています。
→ パブリックコメントのお願い
副業の事例と同じく、届けるべきは「現場の実態」です。
築何年の、どんな構造の物件を、どんな家族の事情で建て替えようとしているのか。
その一言が、国税庁にとって何より具体的な材料になります。
締切は10月18日(日)17時です(郵送は同日必着)。
・パブリックコメントは、
国が新しいルールを作る前に国民の意見を聞く制度です
・「副業300万円以下は雑所得」の通達案は、
一般の人の意見を受けて大幅に修正されました
・考慮されるのは数ではなく中身。
ご自身の物件や家族の事情こそが力になります
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





