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岩松正記の数字・大事・いい感じ!
第二回「利益は意見、キャッシュは事実②」

利益やキャッシュフローの考え方は 大家さんにとって重要かつ必要な知識です。
今回はキャッシュフローについてと、利益との違いと注意点について説明します。

1.キャッシュフローとは?

(1)キャッシュフローと手残り

キャッシュフローとは、実際のお金の流れのことを言います。「流れ」と言うと少し抽象的ではありますが、わかりやすく言うと、実際に入ってきたお金の中から実際に支払ったお金を引いた手残りのこと、と考えてもらって構いません。これをいかに増やしていくかが大家さんにとって重要なことになります。

(2)借金と税金に注意

キャッシュフローを考える上で大事なのは「借金の返済」が関わってくる点です。大家さんにとっては、家賃収入で借金の返済をまかなうケースが多いので、借金に無関心であることは許されません。さらに大家さんにとって忘れてはならないのは「税金」です。
大家さんはサラリーマンと違って自分で税金を納めなければならないのですから、これらを加味したキャッシュフローの計算式は

現金収入−現金支出-借入返済-税金=キャッシュフロー

ということになります。
収入と支出の前に「現金」と付けた理由は、実際に入ってきた分、支払った分だけを考慮するからです。ここでは利益計算の時のように未回収の家賃を収入とカウントすることはありません。実際に入ってきた分から必要な経費を払って借入の返済を行うという、実体経済に即したお金の流れを計算するわけです。

2.重視すべきは利益?キャッシュフロー?

(1)利益はいまいち実感できない

大家さんにとっては、利益もキャッシュフローも当然に重要です。しかし手残りという目に見える形で増減を実感できるキャッシュフローに対し、利益は計算上のルールで金額が変動するものなので、その増減の感覚が今一つ実感できません。

(2)数字で実態を確認する

具体的な数字で見てみましょう。
家賃収入100、経費40、借入返済50、税率30%という場合を考えます。

この時、利益は
100-40=60
となり、この60から税金60×30%=18が引かれますから、計算上の税引き後利益は
60-18=48ということになります。

家賃収入100で48も残るのか!と一見喜んでしまいそうですが、しかし、この計算式では借入の返済が考慮されていない点に要注です。

このケースでのキャッシュフローは
100-40-50=10
となります。

これだと、手残り10で税金18を納めなければなりません。
従って不足分8は他から持ってこなければならず、手残りどころか手出しになってしまっています。このような「現金が無いのになぜ税金がかかるのだ!?」という怨嗟の声が上がるのは、利益とキャッシュフローの関係をつかんでいなかったことに原因があります。

3.まとめ

常に計算上の利益とキャッシュフローを意識し、お金の出入りをバランスよく管理するようにしましょう。

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岩松正記
岩松正記
相談指名数東北・北海道地区1位になったこともある税理士。 山一證券の営業、アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場担当役員等10年間に転職4回と無職を経験後に開業。地方在住ながら東京から米国・東南アジアにまで顧客・人脈を持つことから、税務だけでなく様々な投資情報の提供も行っている。ロータリークラブ、青年会議所等で役員を歴任。 税理士会の役員に就く他、元査察の税理士に仕えていたため税の世界の裏事情にも詳しい
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