自宅の玄関でプランターを使って野菜を育てています。
今はピーマンとミニトマトが採れています。
野菜を育てているとうまく育たなかったり、収穫が思うように採れない場合もありますが、お客様と話していても、「税理士に何を聞いていいかわからない」、「そもそも何を相談していいかわからない」といわれることもあります。
←〔我が家のピーマン〕
初めからうまく税理士とコミュニケートできる人なんていません。
何回かお会いするうちにだんだん慣れて何を質問すればいいかがわかってきます。
そこまで付きあっていくのが税理士の責任で仕事の醍醐味だと私は思っています。
さて、前回に引き続き2023(令和5)年10月1日以降から導入される予定の適格請求書等保存方式(インボイス方式)の説明をしていきたいと思います。
今回は大家さんにはどのような影響がでるかをかきます。
あまり意識したことがないかもしれませんが、多くの大家さんは消費税を税務署へ納めていません。
(専門用語で消費税を払っていない事業者を免税事業者といいます)
なぜかといいますと住宅を貸している大家さんは借り主さんから消費税を受け取らない法律になっているからです(政策的配慮に基づく非課税取引)。
だから免税事業者で問題はありません。
では、どんな場合に消費税を納めることになるでしょうか
このような場合が考えられます。
① 賃貸物件の屋根や所有地で太陽光発電をし電力を売却している大家さんでその収入が1000万円を超える場合
② 倉庫や店舗を貸している大家さんで、その賃貸収入が1000万円を超える場合
③ 整備した貸地や月ぎめ駐車場を貸している大家さんで、地代収入が1000万円超える場合
④ また、賃貸物件の土地建物を売却した大家さんで、建物だけの売却収入で1000万円を超える場合も、売却した年の翌々年に消費税を納める必要があります。
⑤ ①~④の例にあげた収入を合計して1000万円を超える場合
①~⑤にあげた収入を消費税が受け取れる取引、課税取引といいます。
課税取引が1000万円を超えた翌々年は消費税を納めることになり、消費税を納めている大家さんを課税事業者といいます。
では①~⑤にあげた収入をもらいながら、合計が1000万円以下の大家さんは、どうなるでしょうか?
当然、消費税を納める必要はなく免税事業者のままでもらった消費税は収入と利益の一部になっていました(益税という)。
今回導入される適格請求書等保存方式(インボイス方式)はこの益税を防ぐ目的もあり導入されます。
例の①にあげた太陽光発電の売電収入を受けている方はたくさんいると思います。
しかし、売電収入が月80万円を超え、年で1000万円を超えて収入がある方は、なかなかいません。
電力会社から収入は税込みで受け取っていても税務署には納める必要がなく毎年もらっている消費税は益税になっていました。
しかし、インボイス方式が導入されると、太陽光発電機械を設置した時に消費税を設置業者に多額に払っていながら、電力会社は適格請求書発行事業者(=課税事業者)にしか消費税を払わなくなり、今まで益税になっていたものを免税事業者の大家さんはもらえなくなる可能性があります。
これが免税事業者の大家さんにあたえる大きな影響になります。
まとめ
・住宅の貸付をしている大家さんは免税事業者
・大家さんの中でも①~⑤にあげた収入(課税売上)が1000万円を超えていれば課税事業者になる
・課税売上が1000万円以下で免税事業者の大家さんは消費税を納めないのにもらっており、それは益税になる
・インボイス方式は益税を防ぐ目的に導入され、免税事業者の大家さんが益税分をもらえなくなる可能性がある