●廣田が語る!~厳しい環境下での賃貸経営
ここが気になる!~ その4
大家さん兼不動産屋の廣田です。 先週に引き続き、賃貸経営のここが気になる!その4をお届けします。
●長期的な計画を
ますます、厳しくなっていく賃貸住宅の市場の中では、長期的な視点で賃貸経営に取り組んでいくことが重要です。長期的な視点で計画を立てておくことで、いろいろな経営上の判断の基準にもなり、今後発生するリスクの軽減にもなります。ここから長期計画の立案について書いていきます。
長期計画を立案するために、まず、現状を把握します。物件ごとに築年数、借入金の残高、修繕履歴(大規模修繕、設備など)、立地の変化、家賃の推移、入居率の推移、問題点を 整理します。
整理された現状とご自身のライフプラン、物件への思いを加味し、「あと何年稼働させ、 その後どうするのか」というような物件ごとの運営方針を決定します。たとえば、物件Aは 借入金の返済がおわる3年後まで稼働させ、その後建替えをするとか、物件Bは、相続税の納税資金を確保するために売却するので10年間現状のまま稼働させるとかです。このとき、 いつまで稼働させるのかという期限を決めておくことがポイントです。
物件ごとの運営方針に従って、これから何をする必要があるかを具体的に計画していきます。たとえば、数年後に建替えを計画している物件であれば、多額の費用を要する工事は 避け、最小限の修繕工事にとどめるとか、あと10年以上稼働させようと思う物件であれ ば、競争力を維持するために、数年後に新規設備を導入するとかです。 また、建替えを数年後の計画している物件では、建替え時の退去に備え、次の入居者さんから契約を定期借家契約で締結することなども考えられます。
このとき、外壁塗替え、防水工事などの大規模修繕や設備更新など時期や費用も一緒に計画します。また、物件の運営方針を明確にすることは、計画した内容だけでなく、退去に伴うリフォーム工事などの計画していないことの判断にも役立ちます。
長期計画を立案する期間は長い方がいいので、築後30年目までを目安に立案したいところです。全体を細かく検討するのは大変なので、直近の3年程度はある程度細かく、それ以降は粗めでいいと思います。
計画は記録しておき、定期的に見直しを実施していきます。計画をコロコロ変えてしまうのもどうかと思いますが、回りの状況は日々変わっていきますので、その時々の状況に合わせて柔軟に対応していく必要はあると思います。
長期計画を立案する時、大家さんのライフステージにもよりますが、「次世代への承継」という問題は避けられないと思います。計画を考える際は、承継を意識して物件を引き継ぐ 次世代の方も巻き込んで一緒に考えることが望ましいと思います。
●自分自身で考え行動する!
人口減少の影響で、賃貸住宅の需要が縮小していく中、新規の賃貸住宅の供給が増え、現在の賃貸住宅の市場は完全に供給過剰の状況になっています。また、今後、立地適正化計画や災害による被害の発生の可能性などで、物件の価値が変化することも予想されています。 このように、賃貸経営を取巻く環境はますます厳しくなっていきます。
厳しい環境下での賃貸経営は、管理会社さんに任せたままでは、生き残れないと思います。厳しい環境下で生き残っていくためには、いろいろな人の意見を聞きながら、自分自身で考え判断し行動することが重要だと思います。
自身で行動することは大変ですが、行動が、結果につながります。いつも、良い結果が得られるとは限りませんが、行動を起こさないと、良い結果は得ることはできないと思います。
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