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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第五十九回】
不動産鑑定士×一級建築士 田口 陽一が斬る!③

“ご近所アルアル!” ~其の3 避けては通れない 『道』編~               

不動産鑑定士・一級建築士の田口です。

今年も残すところホントに僅かになってきました。
年末のご挨拶回りもされていらっしゃる頃でしょうか?
ご近所もひょっとして回りましたか??

今回のシリーズも3回目です。

今回はちょっとマニアックですけれど、
ご近所アルアルで無視できない、“道”について見てみましょう。
ご近所アルアルとしては、特に「私道」に着目してみたいと思います。

そもそも「私道」って???

よく「土地を買うならやっぱり公道面だよね」
なんて聞きます。
公道じゃないなら私道?
私道?ってそもそも何でしょうかね。
道?ってそもそも何でしょうかね?

不動産会社に入社した時に先輩や上司によくこんなことを言われました。
「不動産のイロハのイはまず道路調査だ。」
「道路のことを知らずして不動産調査はできない。」
「道路調査って奥が深くて、俺だってまだ勉強中だよ。」

***

そんな先輩方の話を聞いて、
「へええ~ずいぶん大げさに言うねえ。新人に対するおどし?」
なんて思っていました。
私も建築や不動産に関わって20年近くになりますが、
今は思います。

「確かに確かに~!!」

何故なら、
宅地なのか宅地ではないのか(建物が建てられるのかどうか)、
によって、土地の価値って全く異次元に異なってしまうから。

建築できる土地かどうかのカギは、『道』が握っているといっても過言ではありません。 道がなければ建物は建てられないんです。
つまり無道路地となり、価値は0に近づきます。
(もちろん道はあっても都市計画上建築制限がある場合もあります)

だから私は今も、道路関係の調査をする時はちょっとした緊張感がありますよね。

話を戻して、私道について。

私道というのは、「私」が所有する「道」ということで、
要は所有区分が役所ではない、ということが端的な意味ですよね。

私道関連だけで一冊の分厚い本があるくらい、奥深い話なんです。
(ホントですよ!ノンフィクションです!)

私道にも色々あり、共有の私道やたすきがけ私道(部分部分を分筆してそれぞれ単独所有している)など、ありますね。
公道と違って、その通行・掘削・建築確認の接道要件・将来に亘って
今のような状態を維持できるのかどうか、舗装その他補修はどうするのか?       多くの確認事項があります。まさに千差万別。
意思決定に際して他の共有者等との調整が必要なのか単独で管理運用処分できるのか   どうか、といったことで、不動産価格にも大きな影響がありますよね。

「私道に接道している土地だと買えません。」
「買えるけど値段は落ちます。」
こんな買取業者の声も聞こえてきそうです。
(これもノンフィクションです。)

私道の所有者や共有者は、だいたいがその私道に面している方々が保有していて、    その私道の維持管理や通行・配管埋設などは、まさに近隣の住民がその相手先になってくるわけです。
だから「道」の話なのに、ご近所アルアルなんですねえ。

「ここの私道の登記名義人って、もう亡くなっている人の名義のままなんだよね。    ほら住所も今は無い住所になっているでしょ。確かあそこの●●さんの先々代?     あれ、そのまた先代のおばあちゃん?らしいよね」
そんな幽霊物件もあったりして・・・
(何度も言いますが、これもノンフィクションですよ!!)

「俺の土地は公道に接道しているよ。関係ねえよ。」
というオーナーさん。
私道に面していなくても、公図を調査したら土地のど真ん中に
「赤道」「青道」が入っているよ、というケースもあります。

いや、現地を見ても「ただの土地」なんですよ。
でも、公図を見ると、確かに道みたいなものが入り込んでいるんですよ。

不動産会社に勤務している方でも例えば賃貸の仕事しかしていない営業マンでは 「ハ??」ってな感じでしょう。
でも、道の調査って土地の利用や処分性に相当の影響がありますから、
重要なんです!そしてほんとに奥が深いんです!

いやあ、色々ありますね。道の問題。

厄介だ、ストレスだ、解放されたい、という気持ちになるのも無理はありません。

でも不動産オーナーであれば、避けては通れない『道』ですよ!

この際、ご所有の土地の調査をしてみてはいかがですか??

「何これ?!」という発見がありましたら、是非当方迄ご相談を!

ABOUT ME
田口陽一
田口陽一
明治大学理工学部建築学科卒業。一級建築士、不動産鑑定士、宅地建 物取引士、マンション管理士。東京建物株式会社にて、不動産鑑定評 価、都市再開発、オフィスビル売買・運営、SPCスキームを活用した 不動産事業等、理論・実務の両面から不動産業務を経験し実績を残す。 不動産ソリューションは、実践的経験が何より重要であるばかりでな く、建築・税・法務・金融・理論的評価・現実の売買等々、複合的領 域にわたることから、常に複眼思考でベストな解決策を構築している。 鑑定評価や売買のみならず、バランス重視のハイブリッドなアドバイ ザリーを得意とする。
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