『既存不適格』②
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
今月は『既存不適格』をテーマに、毎週以下の内容で情報提供を致します。
1回目:『既存不適格』とは?
2回目:『既存不適格』といえば、これ!
3回目:『再建築不可』とは?
4回目:『既存不適格』建築物で気を付けるべきポイント
『既存不適格』といえば、これ!
この業界にいる方ならば皆様ご存知なのではないでしょうか。
【①『旧耐震基準』、『新耐震基準』】
1,981年の耐震基準改正により、それ以前の建物が既存不適格となり、
『旧耐震基準』と言われています。
※実は1981年以降の『新耐震基準』の中でも、木造・鉄骨造・RC造も大きく 改正されてるため、現行法と適合しない物件は数多くあります。
【②エレベーターへの扉、もしくはシャッターの設置】
2002年6月の建築基準法施行令改正により、扉に一定の性能を確保するか、 炎や煙を遮断するシャッターの設置が義務づけられました。
【③日影規制】
少し古いですが、1976年の建築基準法改正で導入されております。
それ以前の物件は日影が考慮されておりません。
最近では、東京都で、建物に関する条例(東京都建築安全条例)の改正がありました。
今回の条例改正で一番大きなところは長屋の避難通路に関する点だと思われます。
長屋を所有されている方、もう同じ建物は建たないかもしません。
(以下、参考資料)
また、知らず知らず『既存不適格』→『違法(違反)』建築物を作っているケースも あります。
例えば、建築物を増改築するとき、新たな法律等へ適用させなければ違反となります。
1回目でもお伝えしましたが、『建築時の規定に適合していない建築物』を 『違法(違反)建築物』といいいます。
※『建築』とは新築だけではありません。新築・増築・改築・移転・大規模修繕・ 大規模模様替を意味しています。
今、所有している物件のリフォームを考えていらっしゃる方、また物件の購入後に リフォームを考えている方、まずは『既存不適格』の有無について専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。
次回は『再建築不可』物件とはなにか?についてふれていきたいと思います。
【参考資料 出展:東京都都市整備局】