『法人契約における生命保険』
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
『法人契約における生命保険2019年改正』について、2週目の情報提供をいたします。
1.解約返戻率が高いほうがトク!?
生命保険の保険料は、予定死亡率と予定利率という指標をもとに
計算される純保険料と事業費率等の部分である付加保険料で
保険会社が定めています。
保険会社各社の予定利率と事業費率が同じであれば、
同じ保険料に設定することも可能ですが、実際は、保険種類や保険金額、
保険期間が同じでも、各社の保険料が異なるのが現状です。
その理由は、付加保険料が異なるためです。
解約返戻率が高い保険商品は、この付加保険料を大きくすることで
成り立つ仕組みとなっていますので、解約返戻率が高ければ高いほど
保険料が高くなるのが通常です。
皆さまは、保険料が高くても解約返戻金が高ければ良いじゃないか?
と考えますか?
どちらが得なのかは考え方にもよりますが、
万が一の死亡保険金を会社が受け取ることになった場合は
どうでしょうか?
受取れる死亡保険金が同額でも、それまでに支払った保険料には
差がありまので、必要な保障額を必要な期間だけ加入するのが
生命保険本来の加入目的です。
2.新たな経理処理
改正後の経理処理の考え方は、
最高解約返戻率によって処理方法が区分されています。
1.最高解約返戻率が50%以下の場合は、
資産計上不要ですので保険料の全額を損金算入とすることができます。
2.最高解約返戻率が50%超70%以下の場合は、
最初は4/10資産計上ですので、保険料の6/10を
損金算入とすることができます。
なお、被保険者1人につき年換算保険料相当額が30万円以下となる場合は、
資産計上不要ですので保険料の全額を損金算入とすることができます。
3.最高解約返戻率が70%超85%以下の場合は、最初は6/10資産計上ですので、
保険料の4/10を損金算入とすることができます。
表には記載していない最高解約返戻率が85%超の場合は、
9/10資産計上となり、保険契約期間によって資産計上期間と
損金算入期間が異なります。
経理処理方法が改正されましたが、変更後でも損金算入ができることは
イメージが掴めたと思いますので、保障目的で加入する生命保険契約であれば、
個人契約に全てシフトするのではなく、法人契約の活用も有効となりそうです。
具体的な活用商品については、次週にお伝えしたいと思います。