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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第244回】ファイナンシャル・プランナー
駒﨑 竜が斬る!①

『大家さんの火災保険』

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
今月の特集では、『大家さんの火災保険』をテーマに情報提供をいたします。
1回目は「火災保険を請求のための建物チェックポイント」、
2回目は「アパートの火災保険、適正に加入する方法」、
3回目は「アパートの地震保険、隠れた補償」、
4回目は「2021年1月の火災保険・地震保険の改定」になります。
それではさっそく、
1回目の「火災保険を請求のための建物チェックポイント」についてです。

●令和元年東日本台風●
まだ記憶に新しい令和元年10月12日に日本に上陸した
台風19号について振り返りをしましょう。
台風19号は、関東地方や甲信地方、東北地方で記録的な大雨となり、
1日の降水量の総和が観測史上1位となったのはご存じでしょうか。
広範囲にわたる大雨の影響で河川の氾濫やがけ崩れが発生し、
住宅等の浸水が70,341棟と極めて甚大な被害をもたらしました。
経済的な面では、製造業・小売業・物流・ライフライン・金融業にも影響がありました。
また、都市部でも浸水被害が発生しましたが、                    JR武蔵小杉駅構内で自動改札機が水没したり、
タワーマンションの電源設備が浸水したことにより、
ライフラインが途絶えてしまいましたので、数週間程度は不便な状況が続きました。
住宅や自動車を所有している人は、これらの台風被害を教訓に、
損害保険でリスクを軽減することが必要不可欠でしょう。

●台風一過で確認するべき建物チェックポイント●
大家さんが加入している火災保険は、建物のみを補償の対象としています。
家財は入居者が加入する火災保険で補償されますので、まずは、
火災保険における「建物」がどこまで含まれるかの確認をしましょう。
建物に含まれる箇所は、外装、内装、付属建物、                   屋外設備の4つに分類することができます。

外装:屋根・外壁・雨どい・軒天・網戸・雨戸・門・塀・垣・フェンス・柱・梁
内装:内壁・クロス・天井・ドア・扉・畳・フローリング
付属建物:物置(66㎡未満)・車庫・カーポート
屋外設備:室外機・給湯器・井戸・側溝・敷石・庭木

台風による建物被害では、風災と水災の補償を受けることができますので、
台風一過は以下のポイントをチェックしておきましょう。

<外装>
屋根:釘浮きや抜け、アンテナのずれ
外壁:ひび割れ、コーキング剥がれ
雨どい:歪み・はずれ・割れ
軒天:剥がれ・染み・割れ・欠け
網戸・雨戸:歪み・ずれ
窓:ガラスの傷・ひび割れ・破損、開閉
門・塀・垣:ひび割れ・破損・転倒、開閉
フェンス:歪み・ずれ・割れ

<内装>
柱、梁:ひび割れ・剥がれ・屈曲
内壁・クロス:雨染み
天井:破損・落下
ドア・扉:破損・汚損、開閉
畳・フローリング:破損・汚損

<付属建物>
物置:破損・歪み、開閉
車庫:ひび割れ・破損・歪み、開閉
カーポート:破損

<屋外設備>
太陽光パネル:破損
室外機・給湯器:破損
井戸・側溝、敷石:破損・転倒
庭木:破損・転倒

チェックするポイントは少し多めですが、                      台風が原因で損害を受けたことが立証できるように、
特に台風一過ではアパートの被害を確認するようにしましょう。
なお、保険金請求をするタイミングはなるべく早いほうが良いのですが、
6ヶ月以上経過してから請求されるケースもあります。
しっかりと建物のチェックを怠らないようにすれば、
保険金の請求をすることができますので、保険金の請求漏れがないようにしましょう。
また、保険金請求時には、損害部分の写真や修理費用の見積書が必要になります。
一つの敷地内で複数のアパートがある場合は、
建物ごとの保険金請求手続きが必要ですので、詳しいことは保険代理店確認をしましょう。

 

ABOUT ME
駒﨑竜
駒﨑 竜(Komazaki Ryu) 経済力コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー エターナルフィナンシャルグループ(株)  代表取締役 エターナルウェルスマネジメント(株) 代表取締役 一種外務員、貸金業務取扱主任者、 二級FP、損害保険大学、生命保険大学 マネーの達人・週刊ダイヤモンド・価格ドットコム・KINZAI・ 不動産日記(税金の手引き)・税の知識(相続贈与)・ 住宅新法(事業資金調達)・住宅ローンアドバイザー通信など、 専門家としての執筆、監修をしている。
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