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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第247回】ファイナンシャル・プランナー
駒﨑 竜が斬る!④

『大家さんの火災保険』

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒﨑です。
今週の特集は「2021年1月の火災保険料・地震保険料の改定」についてです。
最後までお読みくださいませ。

●火災保険料の改定
今回の保険料改定は、
2017年度・2018年度の自然災害の影響や建物の老朽化による損害率を踏まえた改定です。
全国平均で4.9%の保険料引上げとなりますが、
都道府県や建物の構造級別によっては、引下げとなります。
具体的には、以下の改定内容になります。

1.築年数別料率の改定
2019年10月改定時より、築年数別の保険料率を導入しましたが、
築古契約の損害率が依然として大きいため、保険料較差をさらに拡大します。
築浅契約は割引も導入します。

2.建物保険料への保険金額別係数の導入
保険金額にかかわらず同一の保険料率を適用していますが、
建物保険金額の高い契約は、低い契約よりも損害率が低い傾向になっているため、
その傾向が強いT構造(鉄骨・木造耐火)とH構造(木造非耐火)の
建物保険料を対象に、独自の係数を導入します。

3.保険料調整制度への保険料引上げ区分導入
1戸室あたりの事故件数が0.07件超の事故頻度が高い区分に対して保険料引上げを適用します。
具体的には、築年数3年以上かつ20戸室以上の契約は、
事故件数に応じて、保険料増減の調整が導入されます。

築5年以内の保険料では、全構造にて建物保険料は減少か横ばいです。
地区15年になると、T構造では愛知県と大阪府が上昇し、
H構造では大阪府が上昇します。築25年になると、
宮城県と福岡県はM構造とT構造が上昇、
東京都はT構造とH構造が上昇、愛知県と大阪府は全構造が上昇となります。

●地震保険料の改定
地震保険料は、「確率論的地震動予測地図」の見直しを期に、
地震保険の基準料率が改定されました。
その影響で保険料を3段階で改定する予定で進み、
2017年1月・2019年1月改定に続き、今回が3段階目の改定となります。
今回の改定では、全国平均で5.1%の引上げとなります。地震保険料は、
都道府県・建物構造級別で異なりまして、
保険料が上がる場合と下がる場合がありますので、以下の表を参考にして頂ければと思います。

数値は、地震保険基本料率を表していまして、数値が高い程保険料が高くなります。例えば、埼玉県のM構造(RC)やT構造(鉄骨・耐火木造)の地震保険料の改定率は、14.60%の上昇となりますが、東京都・神奈川県・千葉県の保険料の方がまだ高いという意味になります。
東海・近畿地方では、保険料の増加と減少が都道府県により異なる傾向です。
なお、大阪府や愛知県は、火災保険料は上昇傾向ですが、地震保険料は減少傾向となります。

2021年の火災保険料改定に向け、現在の契約を途中解約して加入し直したい相談がありますが、火災保険も地震保険も改定を続けながら保険料が上昇傾向にあります。
そのため、長期契約をしている場合は、加入し直すと保険料が高くなることが考えられますので、見直しについては慎重に検討をしましょう。

ABOUT ME
駒﨑竜
エターナルファイナンシャルグループ株式会社。代表取締役 ファイナンシャルプランナー。 中古車販売会社の取締役時代に資金調達・会計・税務など年商50億円の会社経営に携わった後、大手アパート専業デベロッパーにて土地活用の経験を積み2007年に起業。FP個別相談数は1,500世帯。損保・ローン19年、生保15年、投資家経験13年、融資5年、証券・海外投資3年のキャリア。
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