~少子高齢化時代 かしこい大家さんの 「事業承継対策」とは~
今月号は、保険×不動産マイスター 津曲(つまがり) 巖(いわお)より、
お届けいたします。
不動産を賃貸していれば「大家さん」と言われますが、その始まりは様々です。
先祖代々不動産を持ち、そのまま「相続」していらっしゃる方、
相続対策や税金対策で始められた方、自助努力が声高に叫ばれるこの時代に将来(老後)の
生活資金の確保、資産形成の一環として始めた方、等々「大家さん」にもそれぞれの
属性があります。
ご自身が元気なうちは「事業承継」など全く考えたこともない方が大半ではない
でしょうか。
しかし、「事業承継対策」も前回までにお話しさせていただいた「相続対策」も
ご自身が元気な時の方が「解決策」や「対応策」などの選択肢は広がります。
例えば、万一「認知症」などの診断を受けてしまうとご自身で「契約」行為が、
出来なくなってしまう。
金融機関でもお金の出し入れさえも出来なくなってしまうなどの恐ろしい現実が
あります。
賃貸物件を所有し、収益を上げ、その運営管理等を行っていれば「経営者」です。
ご自身亡きあとの賃貸経営は、どうするのか。
お元気な「今」だからこそ、 後に残されたご家族に「道しるべ」「道すじ」をつけておくことが大切です。
そのための「かしこい事業承継」の考え方を順を追って、 今回はお伝えさせていただきます。
まず、第一に行うのは「相続対策」編でもお話しさせていただきましたが、、
「現状把握」です。
書式は自由で結構です。賃貸物件とその他の資産の一覧表を作りましょう。
賃貸物件としては、「相続対策」編同様に【ヒト】【モノ】【カネ】の3本の柱に添って
整理するとよいです。
*例*
【ヒト】
相続するヒト、継承するヒトはだれか。(氏名、住所、連絡先、家族構成等)
【モノ】の特定
1.所在(登記上の地番と併せて住居表示、建物の名称等)
2.規模(土地面積、建物の概要(構造、階建て、延べ床面積、総戸数等)
3.状況(賃借人一覧(氏名、属性、契約期間、賃料等)
その他に仲介会社(担当者)の連絡先を入れておくことが大切です。
【カネ】の状況
1.借入金の有無、有る場合は借入先、借入金額、借入期間、金利、毎月の返済額等
2.毎月の賃料等(各戸別、管理費、共益費等)
3.管理会社、管理委託会社がある場合は、その概要(毎月の管理料、管理の範囲など)
以上の通り、一例をあげておきました。
まずは、「現状把握」=だれがみてもすぐわかる状況にしておきましょう。
すべてのことはここからスタートしてみましょう。
一覧表のひな型などもご用意しておりますので、お気軽にお声がけください。
次回以降、ケース別にお話を進めてまいります。