大家さんが立ち向かうコロナ禍の賃貸経営
皆さんこんにちは。今月は二代目大家の小宮 哲朗より
「大家さんが立ち向かうコロナ禍の賃貸経営」と題して、
4回に分けてお送りいたします。
第2回目は「コロナ禍のニーズに応える ~リフォーム編~」です。
◆コロナ禍でニーズの高いリフォームとは?
前回のメルマガでの「入居者のニーズ変化」の中で、
「テレワークスペースの確保」、「安定したインターネット環境」、
「騒音トラブルへの対策」についてお伝えさせていただきましたが
部屋の間取りや床面積によっては実現が難しいケースがあり、
費用も高額になってしまうのが現実です。
リフォーム費用は大家さんにとって最もインパクトの大きい経費であり、
なるべく金額を抑えたい。
無料インターネット、宅配ボックスなどの人気設備は
安価で設置できるものが増えたものの、最近は当たり前になってきていて、
競合物件との差別化はしにくい。
しかしコロナ禍で人の動きが少なくなり、
賃貸住宅の空室反響も少なくなっている現状では、
リフォームで差別化して何とか空室を埋めたい。
大家さんとしてはますます悩むばかりです。
そこで今回は、安価でできるのに意外とやっている大家さんが少ない
【窓】のリフォームについてお伝えします。
窓はどの物件にもあると思いますが、
空室対策としてはインパクトが弱いと考えられ、
後回しにされてしまう傾向があります。
しかし皆さんが今まで住んできた住宅で、
こんな出来事はありませんでしたか?
・結露で窓枠部分にカビが繁殖してしまった
・冬の季節、窓をしっかり閉めて暖房をつけているのに窓際からの冷気で寒い
・窓を閉めていても外の音がうるさい
実はこれらは賃貸住宅の入居者クレームで結構多いのですが、
設備の仕様上仕方ない、といって対応しない大家さんも少なくありません。
しかしこのままだと物件のイメージダウンにつながり、
空室リスクが高まってしまう可能性もあります。
コロナ禍で在宅時間が増えている現在では、
実は窓の機能性は非常に高いといわれているのです。
◆窓をリフォームすると何が良いのか?
1.防犯性の向上
窓シャッターの取り付けや防犯ガラスの導入により、
室内の防犯性が向上し、入居者が安心して住める環境が整います。
2.防音性の向上
特にアパート・マンションなどの集合住宅では、
窓の防音性が原因で騒音トラブルに発展することが多いといわれています。
内窓を設置して二重窓にする、防音ガラスを導入する、
窓サッシを導入して気密性の高めるなどのリフォームは、
室内の防音対策に大きな効果がありますので、
入居募集時のアピールポイントにもなります。
3.光熱費削減
断熱性・遮熱性の高い窓ガラス、
窓サッシに交換することで空調効率が良くなり、
エアコンなどにかかる電気代の削減効果があります。
こちらも入居募集時のアピールポイントになります。
◆実際にどのような窓リフォームが有効なのか?
1.二重窓にする
既存の窓の内側にもう一枚窓を設置し、
二重窓にする方法です。二重窓とすることで、
窓の遮音性・断熱性・防音性が向上します。
またリフォーム工事は既存窓の内側に窓を設置するだけなので、
短期間かつ低コストで対応可能な非常に費用対効果の高い
リフォームといえるでしょう。
2.窓ガラスのみ交換
既存サッシを流用し、窓ガラスのみを交換するという手法です。
特に築年数の古い物件などは、窓ガラスを交換するだけでも、
室内の快適性は大きく向上するでしょう。
またリフォームコストは採用する窓ガラスの種類、
性能によって変わるものの、比較的低コストで対応できるので、
こちらも費用対効果の高いリフォームといえるでしょう。
ただし既存サッシの種類によっては、
窓ガラスに交換できないケースもあるようですので注意が必要です。
3.サッシと窓ガラスの交換
サッシを一度撤去し、新しいサッシと窓ガラスを設置する手法です。
このリフォーム工事では窓周辺の壁を壊し作り直す必要があるため、
2階以上の部屋に導入する場合は、足場の設置が必要になります。
コストも数十万単位とやや高め、工事期間も長くなるため、
費用対効果の観点からはあまりおすすめしません。
4.窓のサイズを変更
窓サイズ自体を変更してしまうという大胆な手法です。
既存の窓よりもサイズを小さくすれば、
それだけ外気の影響を受けにくくなるため、
遮音・断熱・防音性の高い部屋にすることができます。
しかし一方では窓のサイズを大きい方が、採光が良く取れ、
開放感のある部屋にすることができますのでそれはそれで魅力的です。
どちらにするかは部屋の全体のコンセプトによる考え方次第ですが、
いずれにせよ窓サイズ自体の変更は壁の工事まで必要となり、
工事期間が長くコストも高くなるため注意が必要です。
今回は以上となります。皆様の賃貸経営のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。