『ウッドショック③』
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
今回は「ウッドショック」から感じたことについてお話しできればと思います。
◆「ウッドショック」を経験して
1.1件あたりの建物価格が100万~200万円程度上昇
→15年近くこの業界におりますが、
この短期間での建物価格上昇は初めてです。
建築時期の再検討を促す記事も多く散見されますが、
主要住宅企業11社の2021年9月度の受注速報値(金額ベース、対前年同月比)は、
7社がプラス、4社がマイナスとのこと。
受注金額前年対比増は建築価格上昇の影響もあるかと思われます。
2.住宅業界全体の好不調の二極化
→リーマンショック等による建築需要の低下や震災後の建築需要の増加による
建築業界全体として好景気・不景気はありましたが、
二極化という形は初めてです。
ちなみに、積水ハウスのゼロエネルギー賃貸住宅「シャーメゾンZEH」は、
2021年度上半期(21年2~7月)の受注戸数は3486戸となり、
20年度の年間受注戸数(2976戸)を半年で上回ったようです。
上記より、すべての会社がプラスではないことから好調・不調の差が
各社大きくなっていることが考えられます。
国交省が9月30日に発表した8月の新設住宅着工戸数も前年比6カ月連続のプラス。
住宅業界全体としては好調といえるかもしれません。
好調の原因について、個人的には以下のように考えています。
・コロナ禍で在宅勤務など家で過ごす時間が増え、
以前の生活から変化が生じているのではないでしょうか。
結果、既存の住宅と希望の住宅(間取り等)にズレが発生し、
住宅検討世帯が増加しているように思われます。
・住宅ローン減税制度、すまい給付金、グリーン住宅ポイント制度
※住宅ローン減税制度による駆け込み需要は想定より少なかったとの記事もあります。
まだまだ先行き不透明な状況が続いていくものと思われます。
建築士目線の情報配信ではありますが、ご参考にして頂けたらと思います。