2022年度不動産とマネー
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
今月の特集では、『2022年度不動産とマネー』をテーマに
情報提供をいたします。
2回目は「損害保険の改定(後編)」になります。
■火災保険の保険金請求で復旧義務の新設
台風等の自然災害に便乗して、「保険が使える」、
「保険で直せる」など、保険金申請代行会社や住宅修理サービスの
勧誘を行う悪徳商法に注意が必要です。
これらの多くは、
「保険金の使い道は自由なので実際に修理をしなくても良い」と勧誘し、
保険金請求手続きを代行し、高額な手数料を請求してきます。
国民生活センターには、関連する相談は2020年度が5,368件と、
前年比約2倍の相談件数になっています。
相談事例を一部紹介します。
●担当者を信用して修理内容も金額も分からないまま契約したが、
解約料として保険金の50%を請求された
●保険金で修理できると勧誘され契約したが、
契約書面を渡されず、クーリング・オフにも応じない
●受け取った保険金が見積額より少なく、
解約するといったら見積調査料を請求された
●代金として保険金全額を支払ったが、
いつまでたっても着工されない
●うその理由で保険金を請求することになると思い、
勧誘を断ったら嫌がらせをされた
「保険で直せる」と言われたら、損害保険代理店に相談をしましょう。
知らない間に詐欺に加担するおそれがあります!
このような業者への対策を強化するため、
建物への損害が発生した日から起算して2年以内に保険の対象を
復旧した場合に限り、保険金を支払いするよう
普通保険約款の建物条項を一部改定します。
■火災保険の保険金請求で復旧義務の新設
2022年10月1日以降の始期(更改)契約より、地震保険料が改定されます。
2021年6月10日に金融庁長官に提出した
地震保険基準料率の改定がその理由になります。
全国平均▲0.7%引下げ、最大引下げ▲47.2%、最大引上げ+29.9%です。
地震保険料は、都道府県・構造・割引で大きく異なります。
<保険料例>
木造 2階建て 12戸 延床面積450㎡ 地震保険金額3,250万円
(火災保険の50%)
保険期間5年 長期一括払い 建築年割引10%適用
T構造は、木造住宅でも省令準耐火建築物や
準耐火建築物等の耐火性に優れた建物が対象となり、
火災保険だけでなく地震保険の保険料にも大きく影響をします。
建築年割引は、1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物である場合に、
地震保険に対して適用される10%の割引です。
利回りを重視した賃貸経営では、
昭和56年よりも前の建物で非耐火の木造住宅を購入される方が多いように思います。
首都圏の一都三県に限っては、
地震保険のみの保険料で年間10万円以上の保険料となるため、
損害保険料も加味した物件購入が今後は拡大しそうです。