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不動産を所有する会社の注意点。土地保有特定会社の要件

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第176回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q 不動産オーナーが会社を設立する場合に、
株式の相続税評価について、
注意するべきことはありますか?

A
非上場会社の株式(合同会社の場合は、出資金)の評価は、
「純資産価額」と、「類似業種比準価額」をミックスして、
算出することになっています。
一般的には類似業種比準価額が低くなることが多いため、
純資産価額とミックスされることで評価は大きく下がります。

しかし、特定の条件に該当する会社は「特定の評価会社」として扱われ、
純資産価額方式での評価が強制されます。
不動産オーナーが設立する会社の場合、
「土地保有特定会社」に該当しないかに気をつける必要があります。

1.土地保有特定会社とは
土地保有特定会社とは、総資産に占める土地等の価額の割合が
一定以上の会社のことを指します。
土地保有特定会社に該当するかどうかは、
主に以下の2つの要素によって決定されます。

(1)会社の規模
(2)総資産に占める土地等の価額の割合(土地保有割合)

(1) 会社の規模
非上場株式の株式において、
従業員数、総資産価額(帳簿価額)、取引金額(売上高)に応じて、
大会社・中会社・小会社に判定します。

不動産オーナーが設立する会社は、従業員が5人未満であることがほとんどです。
総資産価額(帳簿価額)が5,000万円以上もしくは、
売上が8,000万円以上あれば、中会社に該当します。

土地保有特定会社は、本来的には大会社と中会社を対象としています。

しかし、小会社であっても、総資産価額(帳簿価額)が
大会社や中会社規模に相当するのであれば、
総資産価額基準に応じて土地保有特定会社に該当させるようにしています。

具体的には、賃貸経営の場合には総資産価額(帳簿価額)が
10億円以上:大会社相当に該当
5,000万円以上(10億円未満):中会社相当に該当
5,000万円未満:小会社に該当

(2)総資産に占める土地等の価額の割合(土地保有割合)
土地保有割合 = (土地等の価額) ÷ (総資産価額) × 100%

※1
土地等の価額も総資産価額も、相続税評価額ベースで計算します。
土地は路線価を使うことになります。

※2
土地等とは、地上権、借地権、販売用の土地などを含みます。

土地保有割合が算出されたら、会社の規模に応じた判定基準に当てはめます。
大会社: 70%以上
中会社: 90%以上
小会社:対象外

2.まとめ
小会社に該当する場合には、
土地保有特定会社の適用はありません。
売上規模や総資産価額の規模によっては、
中会社に該当する可能性がありますので、気をつけなければなりません。

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ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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