渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第148回
今回から相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。
Q 相続税の税率は何%ですか?
A
相続税は遺産の額に応じて、税率が高くなる超過累進税率を採用しています。
超過累進税率とは、課税対象の遺産が一定の金額以上となった場合に、
「超過した部分」 にのみ高い税率で課税する方式です。
遺産全体に高い税率を課税されるわけではなく、
超えた部分にだけ高い税率が課税されるため、
一定金額以下の人と超える人で税額が逆転することがないように
(損することがないように)しています。
税率は次の通りです。
◯法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円以下の部分:10%
◯法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円超から3,000万円以下の部分:15%
◯法定相続分に応ずる取得金額が3,000万円超から5,000万円以下の部分:20%
◯法定相続分に応ずる取得金額が5,000万円超から1億円以下の部分:30%
◯法定相続分に応ずる取得金額が1億円超から2億円以下の部分:40%
◯法定相続分に応ずる取得金額が2億円超から3億円以下の部分:45%
◯法定相続分に応ずる取得金額が3億円超から6億円以下の部分:50%
◯法定相続分に応ずる取得金額が6億円超の部分:55%
この税率表を見ると、
遺産が3億円を超えると50%の税率が適用されてしまうと思いがちですが、
実際にはそうではないことが多いです。
「法定相続分に応じる取得金額」がポイントです。
法定相続分で分けた金額で判定するということです。
例えば、相続人が子2人の場合には、
法定相続分で分けた後の金額が3億円を超えるかどうかです。
子2人の場合の法定相続分は2分の1ずつです。
2分の1した金額が3億円になるので、
遺産が6億円があることが前提になります。
さらに、基礎控除を引いた後の金額で法定相続分で分けていきます。
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
相続人2人なら4,200万円です。
すると、子2人が相続人の場合、6億4,200万円を超えないと、
50%の税率にはならないということになります。
相続人が多ければ相続税率は低くなるということです。
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