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相続発生を銀行に伝えるタイミング。いつがよい?

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第165回

今回から相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q 
先日、父に相続が発生しました。
賃貸物件の借り入れが銀行にあります。
銀行に相続が発生したことを伝えると、口座が凍結してしまうと聞きました。
どのタイミングで伝えるべきなのでしょうか?

A
1.口座凍結と凍結前にやるべきこと
銀行は口座の名義人が亡くなったことを知ると、
お亡くなりになった方の預金口座を凍結します。
凍結すると、原則、その口座での入出金ができなくなります。

例えば、入居者から家賃の振り込みをしようとしても、
振り込めなくなります。
また、電気代や水道代の引き落としもできなくなってしまいます。

一度、凍結した場合には復活することはありません。
相続人全員の印鑑証明書、遺産分割協議書を提出することで、
解約・払い戻し手続きをすることになります。

相続人が複数いる場合には、
これらの書類を揃えるのにも時間がかかる可能性があります。

口座が凍結されている状態が長引くと、
賃貸経営自体に支障が出る可能性があります。
そこで、銀行に伝える前に、入居者(もしくは管理会社)に相続が発生した旨と、
振込口座の変更のお知らせをするようにした方がよいでしょう。
電気代や水道代など口座引き落としになっている取引があれば、
口座変更の手続きをしておきましょう。

したがって、口座変更の連絡が完了してから
銀行への連絡をすることが望ましいと言えます。

2.口座凍結前にお金は引き出しておくべき?
口座凍結前であれば、
ATMでお金を引き出すことは可能です。
しかし、他の相続人に無断でお金を引き出すと
揉める原因になることがあります。

また、相続放棄を考えている場合に、預金を引き出してお金を使うと、
相続承認したとみなされて相続放棄ができなくなる可能性もあります。
お金を引き出す際は、慎重に検討した方がよいでしょう。

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ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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