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【第421回】
保険×不動産マイスター津曲(つまがり)が贈る   ~個人事業主か法人化か? 考えるヒント~④

~個人事業主か法人化か? 考えるヒント~

今月号は、保険×不動産マイスター
津曲(つまがり)巖(いわお)より、お届けさせていただきます。

前回は、個人事業主、法人のそれぞれで「経費」
(損金計上)の面からみてきましたが、いかがだったでしょうか。

「課税所得」を小さくする=「経費」
(損金計上)がどれだけ可能か、大切な視点ですね。

さて、最終回の今回は、「法人化」する場合、
特に多いご相談から、
「合同会社」にするのがよいか「株式会社」にした方がよいのか、
比較していきましょう。

大家さんの方々の「手取り(手元資金)」を
最大化するために考え方のヒントになれば幸いです。

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● 「合同会社」と「株式会社」の比較
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まず、合同会社と株式会社の「共通点」を整理してみましょう。

①出資者の責任・・・「有限責任」といい、
出資者は出資金以上の責任を負う必要がありません。
万一、会社が倒産した場合でも出資したお金は失いますが、
それ以上の財産を持ち出し、提供する必要は無いのです。
(例外として、連帯債務者になっていれば、その責を負うことになります。)
②出資人数・出資金額・・・出資人数は「1人」から可能。
また、「出資金」も「1円」から可能。少人数、
少額から設立可能です。
③設立後の税金・・・「法人税」「消費税」などの税金は、
課税されます。

次に、合同会社と株式会社の内容、概要を以下の表にしてみました。確認してください。

以上の通り、合同会社のメリットは、
①定款の認証など不要で設立費用を低くできる
②会社の所有者と出資者が同一であるため
意思決定をスムーズ行いやすい
③経営の自由度が高いので、②とあわせて機動的に経営しやすい
④役員の任期がないため、任期更新等の手間が省ける
⑤利益分配について、恣意的に決定できる
以上の通り、株式会社より、
手軽に設立でき大家さんにとっては
自由度の高い法人を持つことができます。

一方、その反面、デメリットとして、
①社会的(対外的)信用度が株式会社より低い
②資金調達の面で①と相まって、
調達方法が金融機関(メインバンク)からの
限定されることが多い
などがあげられます。

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● 「合同会社」か「株式会社」かどちらにするのがいいか?
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大家さんの特性毎に、
メリット・デメリットを比較して決定することになります。
地主さんで法人の性格が、不動産管理のみというケースでは、
追加の物件購入等の資金調達は不要ということであれば、
法人化の税制メリットを享受することが目的となります。
この場合は、合同会社がより形態として合理的です。

一方、不動産管理のみならず、
追加で物件を購入もしくは買換え等々積極的に
資産形成を図ることも視野に入れる場合は、
対外的信用度、資金調達の多様性を考慮して
株式会社の形態がよりマッチします。

大家さんの道しるべの税理士は、
この分野に精通しております。
迷ったらお気軽にお声がけください。
一緒に最適解を見つけていくことができれば幸いです。

ABOUT ME
津曲巖
相続・事業継承・資産形成、運用コンサルティング専門の エムエスエフピー株式会社所属 03-6403-4117  大手不動産会社にて不動産の有効活用、相続対策、 資産形成コンサルティングを数多く手がける。 外資系金融機関にスカウトされ不動産と金融のプロとして活躍後、 総合的コンサルティングを手がけるため、 2002年FP会社を設立して独立。 相続資産コンサルタントとして相談、相続対策の実行支援業務、 セミナー研修講師として全国で活躍中。 プロフィールの続きはこちら、http://ms-oya.or.jp/profile06/
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