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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第389回】不動産鑑定士・住宅診断士
皆川 聡が斬る!④

住宅診断及び耐震診断を活用した不動産鑑定評価のメリット

前回までは、住宅診断と耐震診断の活用についてお話ししました。

今回は、住宅診断及び耐震診断を
活用した不動産鑑定評価のメリットについてお話ししさせていただきます。

住宅診断と耐震診断は、
不動産鑑定評価において重要な役割を果たします。

これらの診断を効果的に活用することで、
投資家の皆様は物件の安全性、耐久性、
および将来性を総合的に評価し、
物件の真の価値を正確に反映させることができます。

特に、地震リスクが高い地域等では、
耐震診断の結果が物件の価値を左右する重要な要素となり得ます。

住宅診断と耐震診断の活用
住宅診断では、物件の全体的な状態、
構造的および非構造的要素が評価されます。

耐震診断では、物件の地震に対する耐性が専門的に評価され、
必要な補強措置が明らかにされます。

これらの診断によって提供される情報は、
物件の安全性と耐久性を確認し、
投資リスクを適切に評価するための基礎データとなります。

不動産鑑定評価における診断結果の活用
安全性と耐久性の確保:
住宅診断と耐震診断を通じて、
物件が現行の安全基準を満たしているかを評価し、
これを価値評価に反映させます。

リスク評価:
耐震診断で特定されたリスクによって、
物件価格の交渉や将来の改修計画に影響を及ぼし、
これらのリスクを定量化し、物件の価値を適正に算出します。

資産価値の向上:
耐震補強措置の実施は、融資の面も含め、
物件の市場価値を高める機会を提供します。
改修後の価値の見積もりには、
これらの措置による価値の増加を考慮に入れます。

将来性とマーケット競争力:
耐震診断に基づく改修計画は、物件の将来性を示し、
保険料の削減やテナントの安心感の提供といった
経済的利益をもたらします。

これらにより安全性や耐久性が確保された物件は、
市場競争力が高まると言えます。

結論
住宅診断と耐震診断を活用した不動産鑑定評価は、
物件の真の価値を正確に反映し、皆様に対して、
物件の安全性、機能性、
および将来性に関する信頼性の高い情報を提供します。

これらの診断結果を基にした鑑定評価は、
賢明な投資判断のための重要な基盤となり、
物件の価値を最大化するための戦略を立てる上で不可欠です。

皆様は、これらの診断結果を戦略的に活用し、
投資リスクを最小化し、
市場競争力を高めることができると思料されます。

最終的に、住宅診断と耐震診断は、
不動産投資の成功において欠かせない要素であり、
その結果を適切に活用することで、
賢明な投資判断と長期的な資産価値の保全に繋がります。

これらの診断によって明らかにされるリスクの定量化は、
物件の購入、保有、売却の各段階におけるリスク管理により、
中長期のライフサイクルも含めた投資スケジュールにより、
税務対策も考慮した本来的な資産設計が可能となります。

さらに、不動産鑑定評価の精度を高め、
特に融資の局面等での不動産鑑定評価活用による効果も期待でき、
市場価値が高まると言えます。

このように、今回は、住宅診断と耐震診断を活用することによる
不動産鑑定評価のメリットをお伝えさせていただきました。

皆様にとりまして、
不動産投資のさらなる成功への一助になりましたら幸いです。
今回も最後までお読みいただきまして、
誠にありがとうございました。

ABOUT ME
皆川聡
株式会社Aoi不動産鑑定 大手不動産鑑定会社に約8年従事し、メガバンク、政府系金融機関、地銀、信用金庫、信用組合などの金融機関の担保評価をメインに約2500件の案件を携わり、国際線ターミナルの評価の実績もあり。 退職後、平成27年4月に開業。 開業後は、税務対策の鑑定評価や裁判調停等の鑑定評価での多数実績。住宅診断を反映した鑑定評価にて、より清緻な鑑定評価を行っており、鑑定評価額だけではなく、皆様の建物の日ごろのメンテナンスのポイントなどもご提案し、ご好評をいただいております。また2020年10月には、相続税の還付請求にて、他の不動産鑑定士が国税不服審判所にて否認された案件を、その後当職が不動産鑑定を担当。圧倒的な不動産鑑定評価により、東京地裁において、国税庁との裁判で無事完全勝訴しております。
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