1.償却資産税(固定資産税)
新規のお客様から市役所から「償却資産申告書」が送られてきたけどこれは何ですか?というご相談が多くあります。償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる構築物・機械・器具・備品などの資産で所得税又は法人税で減価償却費等により必要経費(損金)となる資産をいいます。
(注)自動車等は自動車税等が課されているため償却資産には該当しません。
(出典) 鴻巣市 アパート等の不動産賃貸業を営んでいる方へ
アパートを貸し付けている場合、土地建物は対象となりませんが、上図にあるような資産(ブロック塀、門、フェンス等)が、また、駐車場貸付の場合でもアスファルト工事等が償却資産の対象となり課税標準額が150万円以上となるケースが多くあります。
(課税標準額となるべき額が150万円(免税点)未満の場合は課税されません。)
償却資産の税率は1.4%で、毎年の課税標準額(千円未満切捨)に1.4%を乗じたものが納付すべき税額(百円未満切捨)となります。5月頃に納税通知書が送付され4期の納期により納付します。
1.4%という税率は低いように思う人もいるかもしれませんが、所有している限り毎年課税され買った金額の5%より評価額が下がらないため負担感は大きくなります。
償却資産の増減は市区町村で把握できないことから翌年の1月31日までに前年の償却資産の増減を申告することになります。実際には償却資産そのものを知らない大家さんも多く市役所の職員が地方税法に基づき税務署に申告書を閲覧して大家さんに「償却資産のおたずね」がくるケースが増えています。
2.毎年どのくらいの税金がかかるのか
令和元年中にアスファルト工事 1,000万円(耐用年数10年)をした場合
※課税標準額が150万円(免税点)未満となったときは税額が免除されますが今回は、アスファルト工事
以外にも償却資産がある場合とします。
令和11年度以降も減価しますが取得価額の5%(50万円)まで減価した場合それ以降は減価しません。
年度 | 取得価額 前年度評価額 |
残価残存率 (%) |
課税標準 | 固定資産税
(年 額) |
令和2年 | 10,000,000 | 0.897 | 8,970,000 | 125,500 |
令和3年 | 8,970,000 | 0.794 | 7,122,000 | 99,700 |
令和4年 | 7,122,180 | 5,655,000 | 79,100 | |
令和5年 | 5,655,010 | 4,490,000 | 62,800 | |
令和6年 | 4,490,077 | 3,565,000 | 49,900 | |
令和7年 | 3,565,121 | 2,830,000 | 39,600 | |
令和8年 | 2,830,706 | 2,247,000 | 31,400 | |
令和9年 | 2,247,580 | 1,784,000 | 24,900 | |
令和10年 | 1,784,578 | 1,416,000 | 19,800 | |
令和11年 | 1,416,954 | 1,125,000 | 15,700 |
まとめ
既に除却(廃棄)してない資産についても償却資産の申告で減少(減少資産用)の申告をしないと資産を所有しているものとして税金の対象となってしまいます。毎年申告書と併せて送付される種類別明細(償却資産の対象となっている明細)を確認して現在の所有資産と一致するか及び税務申告の減価償却明細と一致するかを確認しましょう。
償却資産はその資産が所在する市町村ごと申告を行います。
例えば、A市100万円・B市100万円の償却資産がある場合の免税点(150万円)は、市区町村ごとに行うためこのケースの場合は課税されませんが以前、住所地のA市に100万+100万=200万として償却資産(固定資産税)の申告(間違い)をしていた大家さんがいらしたので注意して下さい。