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物件の売却損を出せば節税できる?

東京の中心で税務を叫ぶ 第114回コラム

物件の売却損を出せば節税できる?

大家さん
大家さん

物件の売却損を出せば節税できる?

大野
大野
今回は物件の売却損を出せば節税できる?
についてお話します。

こんにちは!
今回は、物件の売却についてご質問を頂いたので、ご回答いたします。

Q
物件を売却したら売却損が出るので、今年の税金は安くなりますか?

A
個人で所有している物件を売却した場合は、
不動産所得ではなく「譲渡所得」として取り扱われます。
この譲渡所得は「分離課税」といって、
給与所得や不動産所得など他の所得との損益通算(相殺)ができません。
売却損が出たからといって、
不動産所得などの他の所得の黒字と相殺して、
節税を図ることはできないのです。

ただし、他の物件を売却して、
他の物件の売却益が出ているときは、
売却益と売却損を相殺することができます。
たとえば、売却益が発生する年に、
含み損を抱えている別の物件をあえて売却することにより売却損を発生させれば、
売却益を圧縮でき、税金をおさえることができます。
含み損を抱えている物件を損切りするチャンスともいえます。

まとめ

①物件の売却損(譲渡所得)と不動産所得は相殺できない。

②物件の売却益と売却損は相殺できる。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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