東京の中心で税務を叫ぶ 第132回コラム
倒産防止共済(セーフティ共済)の掛金が経費にならないってほんと?
についてお話します。
んにちは!
今回は、倒産防止共済(セーフティ共済)の改正についてお話します。
倒産防止共済とは、もともとは取引先が倒産した際に、
連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための共済制度で、
無担保・無保証人で、掛金の10倍(上限8,000万円)まで借入れできる制度です。
掛金は、月額5,000円~20万円まで自由に選べて、
途中で変更することもでき、総額800万円まで積立てることができます。
開業して1年以上事業を継続していることが加入要件となります。
法人の場合は、掛金を全額経費に算入できます。
それに対して、個人の場合、経費にできるのは事業所得者のみです。
個人の大家さんは、事業所得者ではなく不動産所得者に該当するため、
共済に加入はできますが、掛金を経費にすることはできませんので、ご注意ください。
解約した場合は、解約手当金を受け取れます。
掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、
40か月以上納めていれば、掛金の全額が戻ります。
この解約手当金は、全額収入となります。
このように、法人の大家さんは、掛金が経費になるため、
利益が高くなりそうな年に加入して掛金を支払えば、
その全額を経費に計上でき、解約して加入し直せば何度でも使えるため、
法人の節税ツールとして活用されてきました。
ただ、今年の改正で、解約して加入し直す場合には、
すぐに経費計上することができなくなりました。
改正後は、共済契約の解除があった後、
再度契約を締結した場合には、
その解除の日から2年を経過する日までの間に支出する掛金については、
経費計上ができないことなります。
つまり、解約した後、
2年経過しないと再加入しても経費に計上できないということです。
この改正は、令和6年10月1日以後の解約について適用されます。
すでに上限まで積み立てている方は、
令和6年9月までに解約して、
9月中に再加入した方がよいかもしれません。
まとめ
①法人は、掛金が全額経費になります。
②ただし、令和6年10月1日以後に解約した場合は、
2年経過しないと再加入しても掛金が経費にならないので
ご注意ください。
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