東京の中心で税務を叫ぶ 第142回コラム
法人の決算書の特徴って何?
についてお話します。
こんにちは!
以前のコラムで、銀行が融資の際に
重視する債務償還年数についてご説明しました。
その中で、「営業利益」や「経常利益」という利益が出てきましたので、
それを理解して頂くために、今回は法人の損益計算書についてご説明します。
法人の損益計算書には、すべての収入と経費が記載されますが、
特徴として、利益の種類ごとに区分けして表示されていることです。
利益の主なものは、営業利益、経常利益、税引前当期純利益です。
営業利益は、本業の利益を表していて、次のように計算します。
売上高-(売上原価+販売費及び一般管理費)=営業利益
売上高は、本業の収入ですので、賃貸業の場合は、家賃収入が計上されます。
売上原価は、販売した商品の購入価格を経費として記載しますが、
賃貸業では商品売買は出てこないので、通常は使用しません。
販売費及び一般管理費は、本業で使った経費を記載するので、
固定資産税、火災保険料、修繕費、減価償却費などがあります。
経常利益は、本業以外も含めた通常1年間で発生する利益で、
次のように計算します。
営業利益+営業外利益-営業外費用=経常利益
営業外収益は、本業以外の収入で、預貯金の利子などがあります。
営業外費用は、本業以外の経費で、借入金の利子などがあります。
特別利益は、臨時的なものを含めた法人税を引く前の最終利益で、
次のように計算します。
経常利益+特別利益-特別損失=税引前当期純利益
特別利益は、臨時的に発生した収入で、物件の売却益や保険金収入などがあります。
特別損失は、臨時的に発生した経費で、物件の売却損、大規模修繕費などがあります。
このように、利益を種類ごとに区分けすることにより、
法人の経営状態の詳細が分かるようになります。
たとえば、臨時的な経費が「販売費及び一般管理費」に
入っていると営業利益が減ってしまいますが、
この経費を特別損失に計上すれば、営業利益は減らず、
税引前当期純利益だけが減ることになります。
債務償還年数の計算では、通常は営業利益(経常利益)を使用しますので、
年数は長くなりますので、損益計算書の記載方法によって、
銀行評価が良くなる可能性があります。
まとめ
①法人の損益計算書は利益の種類ごとに区分けされています。
②損益計算書の記載方法を工夫するだけで、
銀行評価が良くなる可能性があります。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。