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簿記用語の「費用」は、支出と何がちがうの?

東京の中心で税務を叫ぶ 第149回コラム

簿記用語の「収益」は、収入と何がちがうの?

大家さん
大家さん
簿記用語の「費用」は、支出と何がちがうの?
大野
大野
簿記用語の「費用」は、支出と何がちがうの?についてお話します。

こんにちは!
前回は、簿記用語の「収益」と、収入の違いについてお話しました。

今回は、簿記用語の「費用」と、支出の違いについてお話します。
どちらもお金が出ていくものを表す言葉ですが、
こちらも微妙に違います。

ざっくりと結論から言うと、
費用というのは実際にお金が出ていったタイミングで記録するのではなく、
売上が上がったタイミングで記録するということになります。

たとえば、小売業の会社で今年の売上が100万円だったとします。
ただし、そのための商品の仕入70万円を前年に支払っていたとすると、
支出ベースで考えると、前年は70万円の赤字、
今年は100万円の黒字ということになります。
今年は100万円の利益が出ているのでよかった、
よかった、で済ませてしまってよいのでようか?

仕入と売上のタイミングのズレのせいだけで、
その年の会社の業績が変わってしまっています。
100万円の売上を得るために、
70万円の仕入れをしているのが事実なので、
正しい業績は30万円の利益が出たというのが本来だと思います。

そこで、仕入代金を支払った前年ではなく、
売上が発生した今年の仕入として計上します。
そうすることで、本来の利益が計算できます。

また、別の例で考えると、
今年に事業用の建物500万円を現金で購入したとします。
もしこれを支出ベースで考えると、
今年に500万円の費用が発生したことになります。

今年は、まだ売上が発生していなかった場合
利益はマイナス500万円となり、赤字です。
翌年から毎年売上が100万円ずつ発生した場合、
その他の費用がなかったなら、
毎年の利益は100万円となります。
つまり、1年目だけ大きな赤字、
2年目以降は、毎年黒字となります。

これも正しい業績を表していると言えるのか疑問が浮かびます。
確かに1年目にお金を支出していますが、
その建物を使用することによって売上を
得られたのは翌年以降ですよね。

そこでこう考えます。
売上を得るために500万円の建物を少しずつ使っていったと。
そうすると、500万円を一括ではなく、
毎年少しずつ費用にしていくことになります。
これが皆さんご存知の減価償却のことですね。

まとめ

①費用は、収益が発生したタイミングで計上します。

②② 費用と収益を対応させることで本来の利益を計算できます。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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