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1棟目は個人で始めるべきか、法人で始めるべきか②

東京の中心で税務を叫ぶ 第192回コラム

大家さん
大家さん

1棟目は個人で始めるべきか、法人で始めるべきか?

大野
大野
今回も
1棟目は個人で始めるべきか、法人で始めるべきか
について、お話しします!

今回も、不動産投資を始められる主な目的のうち、
「節税したい(所得税)」について見ていきます。
前回、所得税を節税したいなら
個人で購入するのがよいとお話しました。
ただし、実際に節税になるのは、
下記の要件を満たした人だと考えられるともお伝えしました。

1.すでに高所得者の人が、
2.減価償却が大きくとれる物件を購入して赤字を出して、
3.購入金額以上の価格で売却する

今回はまず「減価償却が大きくとれる物件」
とは何かを見ていきましょう。

大きな節税効果を生むためには、
所得者の人が不動産投資で
赤字を出していることが要件となります。
不動産所得が赤字の場合、
通常はその赤字分を給与所得からマイナスすることができ
(損益通算)、税金を下げることができるからです。

ただし、不動産所得を赤字にするために、
キャッシュアウトを伴う経費を使うのは、
手元のキャッシュが減ってしまうので本末転倒です。
そこで、キャッシュアウトを
伴わない減価償却費で赤字にする必要があります。

減価償却が大きくとれる物件は、
下記のような物件だと考えられます。

1.土地に比べ建物価格の比率が高い
2.減価償却の期間が短い(木造の築古など)

上記のような物件は、
都心で見つけるのは難しいため、郊外で探すことになるかと思います。
そうなると今度は高く売却できない可能性がでてきます。

では続いて、「購入金額以上で売却」できるかについてです。

そもそも売却しなければよいのでは?とも考えられますが、
投資は元本を回収できて初めて成功したと言えるのではないでしょうか。
減価償却で税金を減らすことができたけれど、
売却したら実は損していたというケースはよくある話です。
ただ、購入時の金額以上で売却できなかったとしても、
保有時の節税額が売却による損失を上回っていれば問題ないと思います。

しかし、購入時にも売却時にも、
仲介手数料などの諸経費がかかっています。
この諸経費を考慮しても、
得していないと意味がなくなってしまいますので、
購入金額以上での売却が望ましいと思います。

ここまで、不動産投資で所得税を節税する方法についてお話してきましたが、
節税要件を満たすのは、ハードルが高いと感じられたのではないでしょうか。
業者さんから「節税できますよ」と言われることもあると思います。
ただし、本当の意味で節税になるかは、
購入時から売却時までトータルで
先ほどの要件を満たす必要があるため、
よほど条件のよい物件と出会わないと難しいと考えます。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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