大家さんのための相続対策
こんにちは。廣田裕司です。
今回は、「大家さんのための相続対策」ついて書いて行きます。
1.相続対策の誤解
「相続対策=相続税対策」と思われている方が多いと思います。
また、相続対策は資産家だけの問題で、
我が家には関係ないと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
自分自身で築き上げてきた資産や先祖伝来の資産をできるだけ多く、
次世代に残したいという気持ちは当然のことだと思います。
しかし、相続が発生して、おきるトラブルの多くは、
相続人同士で遺産の取り分について争うものです。
「争族問題」と言われることもあります。
遺産分割に関するトラブルは、
TVのサスペンスドラマに出てくるような、
大富豪だけの話だと思っている人が多いようですが、
自宅と少額の金融資産だけというような、一般的な規模の遺産でも、
分割でトラブルになっているケースが多いようです。
せっかくの残した遺産を巡って次世代が骨肉の争いになることは
避けたいところです。
相続税は、相続発生後10か月以内に申告し納税まで完了する必要があります。
特に大家さんは不動産を保有していますが、
まとまった現金や換金性の高い資産を保有されている方は少ないのではないでしょうか。
また、物納すれば良いと考えていらっしゃる方が多いですが、
物納は年々ハードルが上がっており、受付けてもらいないことが多いようです。
納税するための現金を準備しておく対策が必要になります。
相続対策は、相続税の節税の心配だけでなく、
どのように分割するか、納税資金の準備についても対策する必要があります。
「相続対策=分割+納税資金+節税」
2.長寿命化がもたらす相続対策の変化
日本の平均寿命は、年々伸びていて、2019年のデータでは、
男性81.21歳 女性87.45歳と発表されています。
長寿命化と少子化の問題が重なって、
高齢化社会という社会問題にもつながっています。
平均寿命は男女で差があります。平均寿命の年齢の男女差は、
約6歳あります。つまり、男性の方が女性より早く亡くなるということです。
一般的な夫婦の年齢差は、男性の方が年上というケースが多いと思います。
お父さんが先になくなってから、
残されたお母さんは10年ぐらいひとりでの生活することになります。
この10年間の生活費のどう確保するかという問題があります。
また、高齢化により認知症の発症リスクも、考慮する必要があります。
認知症を発症し、意思能力が低下してしますと、
相続対策を進めるための意思決定に支障をきたします。
相続対策の為や長期の賃貸経営の為の投資ができなくなる可能性があります。
超長寿命化が進むことにより、先に書いた、「分割・納税資金・節税」
3つの相続対策は変わりませんが、
あらたに、「財産管理」も重要な相続対策の一つになってきました。
「相続対策=分割+納税資金+節税+財産管理」